Do It Yourself ! …でもどんな工具がいるの?

今回はこのお題。
自転車を購入して「わーい」と喜び、近所に走り出したはいいけど、数日後どこからか

「シャカシャカシャカ…」

そんな音が聞こえるもんだから、音の場所を聞き定めると、どうやらブレーキが擦れている。困った…近所に自転車屋さんが見当たらない。しかもこの程度なら自分で直したくもなる。でも工具がない。ふーむ困った困った。

「…で、アンタに電話して直しに来て欲しいの」

…(汗)。
姉からの電話ですが、ねーさん…私との距離は40kmくらい離れてますぜ。。。1時間ほどかかりまっせ。

結局、数日後、工具セット持って直しに伺わせて頂きましたが。
まぁブレーキシューとリムが当たって発生していたのですが、車軸がフレームから少しズレていたみたいで、薄ワッシャーを追加して再調整。ブレーキも再調整して終了。試走してもらってご満足頂いたので、工具セットを車に積んで帰路についている時に。

”いや待てよ…。ブレーキ整備はともかく、点検適度の工具があれば、他に何か起きても自分で出来ちゃうんだから、簡単でコンパクトな工具セットの特集はアリだな…(悶々)”

そんな流れで今回のご紹介になりましたとさ。早速いってみよう!

なぜ工具なんているの? そこにボルトがあるからだ。

自転車は「部品の集合体」で出来ています。
それらは実に巧妙に作られていて、全部バラして見ると「なーるほどねぇ」と、感心してしまうほどです。

例えば、ペダル軸「BB」周辺は逆ネジが使用されていて、理由は「ペダリングは時計回り(右足)と反時計回り(左足)が発生するから、それぞれ緩まないように使い分けている」というように…ですね。

いくつかの部品を注意深く見ると『あ…なるほどね』と納得しまくるものが、ママチャリでも多く見かけます。…というか、ママチャリは自転車界の王様ですよ。こんなに守備範囲広い自転車は、ママチャリ以外ありません。。。

話が脱線しました。
戻しまして、それら考えられた部品を繋ぎ止めているのが「ねじ」「ボルト」ですが、それらを整備点検をするには、それなりの工具が必要です。

とはいえ、「がっつり工具セット」まで揃えるには、お金がかかるし、使用頻度が少なければ、初心者には…単なる文鎮にしかならない恐れがあります。

ここはご自身の自転車で、日常のちょっとした時に使いそうな工具セットや、工具品をご紹介しようと思います。

自転車でよく使われているねじ達

自転車に使われる工具は、おおよそは「ドライバー」と「スパナ」「六角レンチ」。それ以外で必要となる場所は『ギア部品関連』『BB部品関連』『チェーン』『スポーク』などです。

まぁ整備初心者が『ギア部品関連』『BB部品関連』『チェーン』『スポーク』を、いきなり整備するには、少々手間がかかるので、これら周辺は自転車屋さんにお任せした方がいいでしょう…でも、チェーンへの「注油」は出来るはずですので、それは是非、定期的にしてください。

で、「ドライバー」と「スパナ」「六角レンチ」についてです。
これらには多くのサイズがあります。なぜかって? そりゃあネジ穴や、ボルトには、装着する場所に応じてサイズが変わるからですよぉ。

とはいえ、「存在する全てのネジ穴やボルトサイズを網羅するべく、工具を揃えなさぁいっ!」というわけでなく、自転車に多く使われている、ねじやボルトの種類を見越して揃えとけば、無駄になることはありません。

そこでまず、自転車で多く使われているボルト&ナットの種類を少しまとめてみました。

▼自転車で多く使われているボルト&ナット

-1. プラスねじ
基本的に「小さな接点」で活用されていることが多い。
ブレーキ周辺/荷カゴなどのアクセサリー/変速機

2. マイナスねじ
あまり見かけなくなってきたが、調整する部品類で見かける
変速機/ほか

3. ナット
多くの部分で使用されていて、一番重要な「めねじ」だ
前後ハブ軸周辺/BB/ブレーキ周辺(雄ねじの受けとして)/各アクセサリー/サドル周辺/ほか

4. 六角ボルト
こちらも多く使われている重要な「おねじ」だ
ハンドル周辺/ブレーキ周辺/ペダル周辺/クランク/各アクセサリー/サドル周辺/ほか

こうやって見ると、おおよそ4種類のネジに対する工具を揃えていけばいいのが分かります。重ねていいますが、チェーンカッター、スポークレンチ、スプロケ回し、などの初心者には使用チャンスが限定されている工具は、ここではご紹介しませんので悪しからず。あくまで「一般初級点検&整備としての工具」のみ取り上げさせて頂いています。

これだけ揃っていれば安心!これ以上必要なら自転車屋さんへGo!

ではこれら「基本4種類」の工具で、一番重宝&使用頻度が高いのはどれでしょうか?
それを見つつ、工具を揃えていくと結果『必要最低限の工具』が揃えられるってもの。これで賄うことが出来なければ「自転車屋さんにGo!」でOKです。

▼自転車整備で使う頻度が高い工具ランキング

*調査方法:charichariの経験と持論による

1. 六角レンチ

工具の先が六角形、もちろんボルトの頭も六角形の穴があるのさ…な、ボルトが数では1位ですかね。ただ微妙なのが「車両によってはプラスドライバー優勢」という場合があります(特にママチャリ)。しかし家具組み立てなど、多方面でも活躍が期待できる「持っていて損はない」工具。自転車整備程度なら、こちらで全く持って問題なし。

2. スパナ

スパナは男の嗜みアイテムの一つ。これを持っていないとオムコにいけないぜ…。自転車ではとかく必需品なのがスパナ。ボルトの締め付けでナットの空回りを支える、細いスペースのナットを締め付ける…などはじめ、自転車なら、スパナの口でチェーンをひょいと外したり取り付けたりする応用もできちゃう工具だ。

自転車を基準に使用サイズを限定させたセットがあるが、まぁ…これだけあれば一生、使える相棒にもなれるのではないか。揃えておかねばならない必需品だ。

3. レンチ

実はスパナもレンチも、同じ意味になるんだけど…呼ばれ方の違いで、こちらがレンチっていう俗称?になっています。。いくつか種類があって、「ソケットレンチ」「メガネレンチ」「モンキーレンチ(adjustable spanner)」など多種多様。使用者の好みや締め付けしやすさetc、選択するのには別れるけれど、「ソケットレンチ」は使っていて便利。またスパナにメガネレンチがついている工具もあるので、必要な時はそれで賄えるし。…ということで今回は「ソケットレンチ」に軍配をあげる…かな。

もし一本、追加で購入するなら…自転車なら、これかな。
このコンビレーションレンチは、自転車には最強工具です。これさえあれば…的な一本ですね。

4. プラスドライバー

こちらは老若男女問わず、我々の生活になくてはならない必需品工具だ。でも「IKEA家具に付いてきたプラドラ」では、ちょっとしんどい。なぜかというと「締め付ける時のトルクがかからない」から。良いものを揃えよう…とは言わないけれど、「使えるものを揃えよう」は言うかな。てなことで、こちら。使えるプラドラセットだ。

おまけ。工具萌えの世界

これを話すと…長いっすよぉ…
短めにするように心がけますけど、工具の世界って実は「艶かしい世界」なんです。いやエロチシズムではないですけど、工具それぞれの個体に備わる曲線美、剛健さ、手で触れた時に「スッ」と馴染んでくれる造形 etc。ああ、イタい世界の入り口にようこそ。

機能第一製品。だがそこが美しい

「全ての工具は究極の工夫が詰まってる」

誰が言ったか知りませんが、まさしくその通りです。例えばグリップ感。持ち手を考えた太さとカービング、そして滑らない加工を施す工夫(メーカー、工具種による)…。
さらに見た目がキラキラしている工具もあれば、いぶし銀を魅せる「艶消し」感ある工具まであります。

その手のこだわりに一つでも気づいたら、全ての工具が宝石に見えてきます。永遠の輝きをいつまでも相棒にしたくなる。言い過ぎではありません事実です。

メーカーごとに違うこだわりと至高の機能美

各メーカーは確かに「競合他社」の様子は多少、気になっているかと思いますが、老舗メーカーは、それぞれのブランドと伝統を時代にブレることなく製品づくりを追求されています。

例えば有名な「Snap-on」(スナップオン)。
ソケットレンチを開発した米メーカー。高価格な工具が多いが、耐久性や剛性感は非常に優れ、しかもメッキの美しさは輝きともに最高峰。工具の重量バランスも見事な仕上げで、整備することを忘れ、むしろ工具の点検を酒のアテにするほど、輝きと造形美に惚れます。

そして質実剛健さは負けない独メーカー「スタビレー」。
大きな特徴は「軽くて薄い」。その理由はスタビレーらしさ…というか、スパナのグリップ部分の中央に大きく凹んだ形状にしています。その凹んだ分が軽量化に繋がっています。もちろん強度もピカイチ。世界中の整備士から愛されています。

日本国内メーカーもかなり優秀…いや失礼。最高峰の工具メーカーが揃っています。
「KTC」「HOZAN」「TONE(トネ)」「TOP」など…ああ、それぞれの工具が脳裏に浮かぶです。

これ以上、語るとヅラヅラとタイピングが止まらなくなるので、ここで一服しておきます。

必要ないのに買ってしまう工具

「工具は初心者の時から良いのを揃えておけ」

また出ました格言です。これは諸先輩、皆さんがよく言われます。
理由は聞いたことがないのですが(怖くて聞く余地がない)、今思うと…『お客さんから預かった車両だから、ねじ一本でも丁寧に扱えない工具なんてダメだ』ということでしょうかね。

他にも解釈があって『安い工具は整備途中に、折れる曲がる欠けるなどの恐れあり』とも。実際、ホームセンターで急いで購入したラジオペンチ、掴んでいる時に折れました。指肉を挟んで、大きな血豆が出来たことがあります。

信用できる工具、安心できる工具は、そこそこのお値段はします。でもお高い。「Snap-on」なんてソケットレンチセットなんて高すぎる。。。でも一つ一つ、給料がでた時に購入して行くと、なかなかしっかりとした工具セットが、自分の工具箱の中で集合してくれるんですよね。

でも途中で「お…なにこれ? 美しいやん…」と、浮気をしちゃう。どうしてもしちゃう。で、買っちゃう。

帰ってから、それを開封して見ると、なかなか普段、出番がなさそうな工具だったりする。冷静になると気づく。なんで買ったんだろうかと後悔する(そんな時に限って良いお値段で買ってしまう)。そんなこともありつつ、工具は充実していくのです。

果てには道具箱、さらに壁掛けラック…止まれない

仕事以外で、趣味でこうなっちゃうと「工具萌え」重症だ。もう抜け出せないし、なんでも修理してやろうという気になる。charichariは以前、壁がこれ状態で、エアーコンプレッサーやら簡易溶接機やらも揃えていた。ほら、バイクもクルマも整備していたし、必要だったし…(汗

自宅なら工具は「道具箱」、ガレージライフ以上、職場までの広さなら、工具を引っ掛けて壁に並べる「ディスプレイ収納」。

いづれも使用環境によりますが、道具箱より…やっぱガレージの壁にぶら下げたいやん?メカニックスペース化したいやん?…ということを夢見ます。

そうです。つまり「マイガレージ マイハウス」、夢の一戸建て(ガレージ無駄に大きめ)となるのですよね。そこにクルマやらバイクやら、自転車やら…並べた背景に、工具が壁一面にズラッと並ぶ。

それらに囲まれた日常は、ご飯何杯でも食える。そう、まさしく「工具萌え」世界に肩までどっぷり浸かってしまうのです。割と容易にいつのまにか…にね。

最近は女性でも「工具萌え」される方が増えています。
理由を聞くと『綺麗なスパナやレンチはカワイイ」や「メガネレンチの首周りに萌える」とか、個人的なるPOP感を感じる初見から、すでに造形美に萌えている方まで、出てきています。

実際に使うこともあるそうですが、その時の利便性の良さに感動することもあるとか。こうなったらもう、抜け出せません。ぬかるみの世界にようこそっ

皆さんも機会あれば是非、お店でご確認下さい。
どこで見ることができるかって? 都市部なら「ファクトリーギア」かなぁ。他にもあると思いますが…おおよそ各社の工具が揃っていて「わぁ♪」と、なれるお店としたら、思いついたのがファクトリーギアでした。

いかがだったでしょうか?
今日も長くなりましたね。すみません。
それでは元気にいってらっしゃーい♪

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