冬期のタイヤ交換後はお気をつけ下さい

「…ねぇ先輩」(ズルズル←ラーメンの音)
「ん?」(ハフハフ)
「1年前に買った自転車のタイヤが、だいぶ減ってきたんですけど」
「んー」(ズルズル)
「交換した方がいいっすよね」(フーフー)
「んー、クロスだっけ?摩耗の程度によっては交換しない方がいいよ」
「!…なんでですか?」
「それはね…」(ちゅるるっ)

…とまぁ、また後輩とラーメン食べながら相談を受けたのですが、そうなんです。寒い季節は新しいタイヤに交換するのはオススメしないんです。でもこの話って、あくまでcharichariの過去体験から来る持論なので、実際は(今は)違うかもしれません。(この手の話はWebで見受けられなかった)

タイヤはゴムだ

ではその持論をお伝えしましょうか。

そもそもタイヤは、「ほぼゴム」です。クルマでもタイヤメーカーは「冬用タイヤ」に特化した製品をリリースしています。これはアイスバーンや雪道でタイヤ表面と凍結した路面の間にグリップを損なうとスリップしやすいので、「路面を噛める」ように、標準タイヤとは違った製法を施しています。それが「スタッドレスタイヤ」ですよね。

一方、自転車は接地面が少ないのと、人+車重でも軽いので「スタッドレス」のような『噛ませる』効果を持つタイヤは意味がありません。もし噛ませるならスパイクタイヤになります。スパイクタイヤとは金属ピンがタイヤから、いくつか突出したものですが、その仕様での街乗りは無理でしょう。

であれば、シティサイクルのみならず自転車や通常排気量のオートバイも、基本的には標準タイヤで越冬することになります。

● でも寒すぎると乗らないのが人の情

仕事以外で毎日自転車に乗らなきゃいけない人って、通学している若者が中心でしょうか。1月〜2月ごろに迎える大寒波による冷え込みを迎えたら、オートバイおろか自転車でお出かけする大人方は非常に少なくなります。だからこそ「冬用2輪車タイヤ」の需要がないのもあるでしょう。

●そしてタイヤは寒暖によって性質が変わる

簡単な理屈ですが、『暑いとゴムは軟質へ。寒いと硬質へ」ですよね。クルマほど高速回転していても、路面温度とタイヤ温度が低いとグリップは低下します。比べて自転車は高速回転は敵わなくとも、それなりに変化があります。

例えば白線の上で夏場にブレーキをかけると、そこそこ止まりますが、冬場に白線の上でブレーキをかけると滑りながら停車します。その距離は速度によってマチマチですが、白線の上でブレーキやコーナリングをすると転んじゃうことが、冬期は多々あります。

…一番最強に滑るのは「雪道で白線の上で(横断歩道で)曲がりながら進入」です。ある雪が積もった朝、charichariが通学で自転車に乗って信号を待っていると、遅刻しそうであろう他学校の高校生が、まぁまぁの速度で青を見計らって横断歩道へ進入。漫画のようにすってんころりんしてました。

●走り終わってすぐのタイヤを触ってみると分かる

実際、どれだけのタイヤ温度が感覚差であるのかを、夏と冬に素手で接地面を触れてみると、夏は熱く冬は冷たいまま。爪でクッと押してみても弾力差にも大きな差を感じました。さすがにこれはグリップ力にも影響するはずです。

新品タイヤには”慣らし”は必要

クルマのタイヤ、オートバイタイヤを中心に、よく新品タイヤに交換した直後は「距離100km以内は慎重に乗って」と言われています。これはタイヤ表面への日光や湿度の影響からくる劣化防止のために、タイヤの接地面にワックス的なものを塗り込んでいるものがあるからです。

しかし自転車ではどうなのでしょうか?「メーカーに聞きました」記事もいくつかWebで拝見しますが、それによると『タイヤの皮むき』と言われる慣らし運転は、「いる」「いらない」などバラバラの解答がメーカーからあったようです。もしそれが本当なら、自転車タイヤはクルマやオートバイのタイヤとは違い、製品管理を考慮してもワックスの必要性は、さほど重要ではない製法で作られているのだと思われます。

だからといって「気にするな」とはcharichariは思いません。なぜかというと「自転車も人が乗るので、タイヤに慣れてもらうにはちょっと時間を設けるべきだ(=慣らしが必要)」ということが体感したからです。

おおよそ、どんな乗り物でも購入した時と同じメーカーとモデルのタイヤを履くことが非常に少ないです。さらにそのタイヤの性能や感覚で感じる履き心地は、クルマでもオートバイでも自転車でも感じれます。

「お…なんか乗り心地がよくなったな」
「点字ブロックではツルッといきやすいかな…気をつけよう」
「タイヤノイズが静かになったな」
「ブレーキかけるとしっかり路面を噛んでくれるなー」

などなど、皆さんもご経験あるかと思いますが、このフィーリングが安全運転への大切な情報です。そのタイヤの個性をある程度、周知するには、慣らし運転が必要だと考えます。

つまり、すべての車両のタイヤには『慣らし運転が必要』と、charichariは思います。

冬季は滑る

ここまでのお話でおおよそ分かって頂けたと思いますが、要するに『タイヤの個性を知るために慣らし運転は必要』ということです。

この慣らし運転は、春夏秋のシーズンなら路面条件は新品タイヤの個性を知りやすい(酷暑の時は別ですが)でしょうが、冬期は気温も路面も低いので、本来のタイヤの個性を知る以前に、タイヤが硬くなっているので極端に言えば「ただのゴム」状態でしかない(持論です)。その慣らし運転の環境では、交換したそのタイヤ本来の能力を掴みにくいのではと感じます。

冬期にタイヤ交換をされたなら、なるたけ暖かい日に慣らし運転をした方が、先述の「タイヤの皮むき」も含め、タイヤの能力を引き出すのには好環境だと思います。反対に雪の降る日や冷たい雨が降る日の慣らし運転は悪環境になりますし、スリップしやすくなります。

この理論でいくと、冬期に使用するタイヤは「普段から馴染んでいるタイヤで越冬する方が良い」「以前に交換したタイヤを再装着した方が、まだ良い」となります。

年末年始に向けて…とか、そろそろ溝が浅くなって怪しそう(まだ大丈夫だけど)…とか、タイヤ自体にトラブル(ヒビが入っている、パンクした etc)以外は、春先に交換する予定を組む方がいいと思います。

charichariのタイヤ使用行程は「(前後輪が)新品なら」→「(前後どちらかが)溝摩耗率70%くらい摩耗」→ 「ローテーション」→「後輪が(溝摩耗率)80~90%摩耗」→「後輪交換」→「前輪は後輪タイヤをローテーション」&「後輪交換」…

というようにしています。
その際、80~90%摩耗したタイヤの1本だけ、自宅保管しておきます。これは「がっつりなパンク時(釘刺さるとか)の交換用」としてのスペアタイヤとしてです。この方法にしてから、制動も大きな変化はなく、自転車にかける費用も抑えられ安心感もあります。

但し…この方法は同一メーカーの同じモデルのタイヤを使用している時です。使用しているタイヤが絶版になったら、前後輪を同時交換します。その際はまた先述の使用行程の始めからスタートします。

以上、charichariが持論で信じている方法ですので、本当に正解なのかは知りません。でもメーカーによって「皮むきは必要」「いや必要ない」と言っているのなら、自分で適切と思う方法を判断しないといけないなというのも事実でしょう。

皆さんの参考になったら良いなと思って今回は徒然と紹介しました。

後輩、あとは君自身だ分かったか。

今日も元気に行ってらっしゃーい♪

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