おすすめ初夏のチェーン整備

春うらら→初夏な天気になると、お出かけしたくなるもの。ロードバイクでもクロスバイクでも、ママチャリでも子供チャリでも、老若男女揃って自転車で桜を見に行くだの外でお弁当持って、近所の公園や土手まで自転車で行くとか色々とウキウキ行動しますよね。

でもちょっと待って。
あなたの自転車、チェーンは真っ黒ドロドロよ!?

てなことで今回はチェーン整備でも大事な洗浄と注油についてお話ししましょう。

まずはチェーンの役割とギアとの環境について

そういや全装チェーンカバーの自転車って少なくなりましたね。整備はめんどくさいですが、総合的にかなり優秀なのではないかと思います。でも買ってからしばらくすると、小石とか跳ねて小さな凹みが出来てたりするんですよね。アレってちょっと悲しくなりません?

ほとんどの自転車にはチェーンがあって、そのチェーンにかみ合わすことが出来るギアが付いています(当たり前のお話しですが、この仕組みを考えた人って偉いなぁと思いませんか?…ってこの話をすると長くなるのでやめときます)。

ペダルで漕いだ力をクランクを使ってチェーンに伝え、後輪のギア、スプロケットに届かせて動力を促しています。この原理はオートバイでも使われている現在の技術で「良効率・低コスト・安整備」の3拍子揃った究極のシステムでしょう。だからこそ今でも採用され続けられているわけです。

ー ギア(歯)とチェーンとの関係性

チェーンはご存知の通り、ギアがチェーンに噛みながら回転しています。特にチェーンはクランクから後輪にかけて「引っ張ったテンション」で動力を伝えていますよね?逆に後輪側(スプロケ側)は、「引っ張られたテンション」に応じて回転しています。

つまりクランクもスプロケも、チェーンが伝えるテンションに反応しているわけですから、強くペダルを踏めばチェーンとギア(歯)は、その分擦り合わさるということになります。

ーここに異物が挟み込んだらどうなるか?

シティサイクルには「チェーンガード」と呼ばれる多種多様なカバーがあるので差がありますが、スポーツ系デザインの自転車はカバーなんてなく、いわばネイキッドな状態です。雨風はもちろん、風も埃にも晒されやすく、おまけに前輪が跳ね上げる砂などをモロに受けてしまう環境です。

そんな環境と合わせてチェーンとギアには、お互いの「擦り合わせ」をスムースに行ってもらうべくチェーンオイルなどの潤滑油を施し、摩耗を軽減しているわけですけど…この潤滑油、油だけにベタベタしてますから埃も砂もくっつけちゃうんですよね。

写真はオートバイのものだけど、そこそこ走っていたらこうなっていることがある。放置しておくと重量も加重も回転速度も自転車と違って全然違うので、摩耗しやすいんですよね、

てことはですよ?
ギアとチェーンとの間に埃だの砂などを挟み込んだ状態が長期間続くと、お互いに削られたり、チェーン自体の可動性が詰まって鈍くなったりするわけでして。

最終的にはお互いに劣化速度が早まるということになるわけです。

そこで最初にするのは洗浄だ

さあ、そんなことになったら貴方が渾身こめてペダルを踏んだ時の力が「10」としたならば、後輪に伝わる動力が減少して「9」とか「7」とかになってしまっているかもしれません。おそらくサビサビのチェーンとギアは、お互いのサビが擦れぶつかり合い、動力の一部はそれを力で打破するエネルギーに転換されている、もしくはダボダボで力が逃げていっていると言っても過言ではないでしょう。

そうなると、貴方は無駄なエネルギーを愛車に吸い取られているというわけですので、極論ですが…損ですよねぇー。そうならないように、チェーンは定期的に洗浄(&ギアもね)をすることをオススメするんです。

ではご理解頂いたところで、早速、洗浄していきましょうか!

自転車なので、クルマを洗うスポンジは大きすぎるし、ブレーキワイヤーなどの古い油が黒くスポンジに残ってしまう。ここはお風呂スポンジ(柔らかいものを選ぶ)を用意したい。オススメはダイソー「アクリルニットバススポンジ」だ。塗装面のヘアライン傷は付いているのかどうかわからないが、charichariは気になってない。なのでヨシっ!

▼まずはカーシャンプーとブラシで車体汚れを落とそう

用意するのはカーシャンプーとスポンジ。
台所洗剤でワッシャワッシャとブラシで洗う方がいますが、あまりオススメしません。台所用洗剤は油汚れを落とす効果が高いので、樹脂製の部品を痛めやすいです(変色や劣化速度を速める)。タイヤなんてモロ、樹脂製ですよね。どうしても台所用洗剤を使う時は、中性洗剤を希釈(1.5倍程度)して使って下さい。下記に参考までに台所用洗剤の特徴を記載しておきます。

一方、カーシャンプ。基本的に同じ中性洗剤なのですが、さらに塗装や部品をなるたけ劣化させないような製品となっています。また泡のキレも台所用洗剤よりも素早いので、洗浄した車体を痛めにくいです。個人的に気に入っているカーシャンプーはこちら。液体はドロッとした洗浄剤になっており、水で薄めて使うタイプです。濃度を調整しやすいので、クルマは氷筍濃度、オートバイは薄め、自転車はやや薄め…など使い分けています。


[台所用洗剤の種類]
アルカリ性洗剤:洗浄力が強い。塗装や部品を痛めやすい傾向がある。例)「ジョイ」「シャボン玉 台所用石鹸」ほか
中性洗剤:基本、洗浄力は弱いが塗装や部品を痛めにくい。ただし製品配合の成分により差があり。
酸性洗剤:頑固な汚れを溶かす。金属を溶かす能力がある。例)「フロッシュ」「キュキュット」ほか
*例に上げた洗剤は、あくまで洗車でのお話です。食器洗いとは関係ありません。

洗浄出来たら水気を吹き飛ばそう

▼次に乾いた雑巾で水気をできる限り拭き取ろう

なかなかタフなペーパーウェス。縦幅が240mで60枚、ミシン目で繋がっているロール仕様の製品だ。

洗った後は雑巾で車体の水気をとっていきましょう。自転車は細かな部品が多いので、水滴がそこに溜まると、さびを誘発します。ここは丁寧に優しく…。

そしてチェーンまで拭き掃除がたどり着いたら、チェーンを丁寧に雑巾でくるんでやり、こちらも丁寧に水分を拭き取ってやりましょう。洗ったとはいえ、それでも雑巾はドロッドロになりますので、捨てる雑巾を使用した方がいいでしょう。charichariの場合はホームセンターで売っているペーパーウェスを使ってます。主力は雑巾ですが、他部品やオートバイ整備など様々な拭き取りに重宝しますので、もし揃えられそうならホムセンに行った時にでも購入しておくといいでしょう。価格は300円程度。総尺約14mほどのロール仕様で販売されてます。

そうそう、雑巾やウェスが届きにくいクランクやスプロケについては、拭き取れる場所だけ拭き取ってやり、あとはエアスプレーで水分を吹き飛ばす方法をcharichariはしています。

▼ そしてパーツクリーナーの登場だ

こちらもホームセンターで300円程度で購入できる。油膜洗浄には欠かせない頼れるヤツだ。

次にパーツクリーナーを使います。
クランクおよびスプロケ、そしてディレイラー(変速機)の隅にこびりついた油と埃の塊を、雑巾を筆頭に使って溶かしつつ拭き取ります。頑固そうな塊は爪楊枝を使ったりしますかね。あと部品を分解できる時間があれば、一度バラして綺麗にしてから装着します。時間がなければ、必要最低限でも構いません。

ピカピカになったら注油

ギアとチェーンが綺麗になると、元々の金属の色が輝いて見えるはず。貴方は出来たのですっチェーン本来の輝きを呼び戻すことがっ! そんな悦を噛み締めながら、かるーく手でペダルを回してみて下さい。すると「ギチギチっ」とギアとチェーンが抵抗しながら回転します。

そうなんです。チェーンオイル(チェーンルブ)って、この抵抗を大軽減し、軽やかなペダリングを補助しているんです。すごいでしょ?実感したら早速、注油していきましょう。

▼ チェーンオイルは色々あるけれど

「…けれど」とは、概ねカリカリに自転車で街中を攻める人って、そうそういませんし、むしろ交通事故を誘発します。なのでロードレーサーのように極限まで追求された高価なオイルは、一般乗りの私たちには不必要です。

なのでcharichariが個人的に気に入っているチェーンオイルをここにオススメしておきます。


それなりに色々と試してみた中で、これが総合的に良いと思います。今も正直、使いたい戻りたい。…というのは新たに使ってみている写真の「KURE チェーンルブ」は高粘度で効果は感じますが、ワコーズと比べ少しギアとチェーンとの馴染み感が欠けている気がします。シングルギアなら問題ないでしょうけど、多変速には少し物足りなさを感じます。ケースバイケースですねきっと。

▼早速、注油してみよう

ま、すでにお持ちのチェーンオイルがあるならば、是非それを使って下さい。持論ですが「オイル選び < 定期的なチェーンオイルのメンテ」と思いますので、皆さまのもので十分だと思います。

さて注油をしましょう。

大したコツというほどではないですが、注油のポイントは『チェーンのつなぎ目に浸透させ、かつ全体的にまんべんなくオイルを馴染ませること』です。

注油量が少なければスムースさにかけますし、かといってタップリつけると走行時に飛び散ります。ちょうどいいを目指して丁寧に注油して下さい。その時に必要なのは綺麗なボロ雑巾。チェーンのつなぎ目に丁寧に少しづつ注油し、一周したら優しくペダルで回転。その時、雑巾に溢れ染み込んだオイルを活用して、チェーンの側面にもオイルが塗られるように様子を見ながら継ぎ足しして伸ばしていきます。

CUREチェーンルブは、オイルに水色の着色がされていて、どこにオイルが浸透しているか一目で分かる。
これは助かるが…ワコーズのチェーンルブも白色なんだよね。チェーン上ではワコーズの方が分かり良いな。

また多変速の場合、ギア(歯)へのオイルはチェーンから伝わり注油されていきますが、ギアの側面は注油しきれてません。なので浸透度合いを見つつ、綿棒などで塗り足しするといいでしょう。ここで無作為にオイルをブシューってすると、走っているときに油が飛び散らかします。ついてはズボンが汚れます。

多すぎた注油で飛び散らかしたオイルが黒い点となって付着しているのがわかるだろうか。
せっかく洗車したのにこうなっては少しガッカリする。サボらずチェーンオイルは適量にしよう。

早速、走ってみ?きっとペダルが軽いはず

裸足で乗ってはいけません。大怪我のもとです。でも綺麗にした後の自転車は、軽やかな足になるということを表現したいので掲載します。すみません。

というわけで如何だったでしょうか?
チェーンはこまめに点検整備すると、比較的長持ちします。できれば定期的に施してやるといいでしょう。charichariの場合は、仕事の移動で頻繁に自転車に乗っているので、おおよそ1ヶ月半に1度くらい点検してますが…これでもサボっている方かもしれません。

しかしレーサー(ロードバイクなど)の場合、人によっては1週間に一度ペースで手がけている方もいます。その基準は「粉塵が付きやすい仕様だから」「高価な自転車につき、なるたけ整備を手がけて長持ちさせたい」「ピーキーに設定されたレーサーだけに整備をしっかりしないと」などでしょうか。いいですね夢中になるって。

一方、シティサイクルはチェーンガードや内装変速機など、日常の環境になるべく左右されない「ある程度万能」仕様になっているものも多いので、そこまで手がけなければならない必要はありません。しかも日常生活で忙しく、『なんかチェーンが真っ黒』『サビが出てきた』『変な音がする』などというにしか、手がけられないのが現実だと思うので…。乗車前の基本点検(ブレーキ/空気圧/抵抗感や異音の有無)さえすれば良いと思います。

できる時、気になった時に手がけて、綺麗にしてやる。
シティサイクルは、おおよそ2〜3ヶ月(シーズンの変わり目)にするとベターだと思います。是非この機会に洗車してみて下さい☆

そんなこんなで今日も元気にいってらっしゃーい♪

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