自転車サビの落とし方
4月に入って今なお続く、新型コロナウィルスの猛威。感染され闘病中の方々、どうかくれぐれもご自愛下さい。心よりお見舞い申し上げます。そして現在まで健康な方は、感染予防に十二分にお気をつけ下さい。
さて、こうも外出する気になれないご時世、しかも全世界が意気消沈真っ只中なんて、一体誰が想定したでしょうか…。「手立てがない」わけではないですが(手洗いうがい、人混み避けるetc)、ディフェンス一方な手立てしか現状ないのは、とても歯がゆいですね。早くオフェンスに転じて積極的に逆転したいものです。ワンフォアオール、オールフォアワン!
とはいえ、自転車整備としては「今、自転車で出来ること」を紹介していこうと思いますから、今回はこちらっ!「サビの落とし方」をお伝えしましょう。
● 比較的簡単!サビ落とし
そもそも「サビ」は、一般的には『鉄+空気(酸素)+水』の合算でイオン化することは、よく知れ渡った現象ですが、この現象は”自然界に帰して…”と、鉄さまが活動する営み。つまり正しい地球生体サイクルなのです。(詳しくはwikipediaにて)
それを人間の勝手な都合で…と言っちゃ過大表現していますが、「自然に帰るな処置」をすることになるので、サビは煩わしいと思わずに「ごめんな…もうちょっと頑張って欲しいねん…」と、心を込めて妨げる処置をすると、よく落ちます…。
すみません、ちょっと適当すぎました。
心も大事ですが「落とし方」という方法を紹介する記事なので、これで終わらせることは出来ません。サビは最初、酸化した表面で形成されますが、だんだんと侵食しますので軽度なうちに落としてやることがポイントです。
「そんなこたぁ分かってるよっ!けどさ…」
というお言葉を頂きそうですが、愛車をぐるっと見回して「あっ!」と思ったら、ちょいと対処してやると短時間で済みます。ということで、まずは「サビが軽度の場合」から対処法をお伝えしましょうっ
●軽度の場合
基準:小さな点サビ / 比較的広く変色しつつあるけど、下地の銀色が見えてる場合 / 他、軽度っぽい場合
<用意するもの>
・ヤスリ
・サビ落とし剤
・ボロ雑巾
・防錆剤
この4つを用意します。作業時間は20分程度。
1「サビの部分をヤスリがけ(荒がけ / 3分程度 *程度に合わせて)
2「サビ落とし剤を塗る」(ラップで巻いてやると効果的 →10分程度放置)
3.「拭き取り」(パーツクリーナーも噴射して吹いてやれば、なお最高)
4.「防錆剤を塗る」(『サビ防止剤』ってやつです → 1分程度)
以上です。ね、簡単でしょ♪
サビの程度は軽い方が簡単です。見つけたらすぐに対処するのがオススメです。では次に頑固なサビの場合の対処法をお伝えしましょう。
●重度の場合
基準:広範囲に渡るサビ / 赤茶色が濃く、侵食している場合 / ネジなどの接合部がサビまくっている場合
<用意するもの>
・ヤスリ / 金ブラシ
・サランラップ
・サビ落とし剤 (場合によっては着け置きタイプ)
・トレイもしくはバケツ
・ボロ雑巾
・防錆剤
この6つを用意します。今回は厄介なサビですので、1日がかりで対処しましょう。
▼ 分解できるものは分解して
サビがある箇所で、ご自身で分解できる場所にサビがあるなら、その部品を外してサビ取り処理を施します。そこまで出来ない自信がない(組み上げのことを思うと)という方は、そのままで「見える部分だけでも」処理をしましょう。
▼ ネジなどはドブ漬け対処 → 最大12時間程度
分解出来たら、ネジなどの細かい部品は、プラカップに入れ、サビ落とし剤をドブ漬け。分解しない場合は、サビ落とし剤をハケなどでサビ部分を塗りたくり、ラップを巻いて約半日、放置して下さい。
ただしサビ取り剤の使用方法をよく読んだ上で、サビ落とし処理をお願いします。サブタイトルの「最大12時間程度」は、charichariが見たことある溶剤の最長放置時間です。薬剤によっては6時間放置などもあります。
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どぶ漬することを考えると、こういった量が多いものを買っておくと便利。自転車だけでなく、他の洗浄にも流用できるです。
▼ 接合部の穴などにはサビ取り剤を塗って、ラップ巻き
接合部の穴とは、通称「ホール」ですね。例えば荷台のフレームが後輪の車軸にズコっと、はめられる薄めの穴の様な部分です。こんな部品にはサビ取り剤を塗ってサランラップで巻いて…使用方法通りの時間内放置してやるといいでしょう。
またこの方法は複雑な部品部分にも使えます。例えばスタンドにあるバネ、自転車のカゴなどの溶接箇所にも有効です。
▼ 先端サビなどはヤスリがけから処理をしよう
あまりにもサビがひどく、侵食している場合は、最初に紙やすりでこすり落として、下地の金属が見えてきてからサビ取り剤を塗りましょう。よくある場所は泥除けカバーの先端、カゴ、ペダルの端などです。
▼交換部品は素直に交換
しかしあまりにも侵食がひどく、ネジ山が欠けている、もしくは部品の一部が腐食している場合は、交換した方がいいです。ここは根性を見せずに、素直に新品部品を選んで下さい。
▼ フレームのサビは場所による!注意したい溶接部分のサビ
またフレームのサビは、クロモリ系なら経年傷や塗装の劣化から、サビが発生する場合があります。フレームチューブの小キズから招いたサビ程度なら、サビ取り剤を塗ってラップ巻き…という対応でいいですが、フレームチューブの溶接部分のサビは、古い自転車ほど注意して下さい。
要は接合部のサビが侵食していると、そのフレームの強度は格段に落ちているので乗車危険、今すぐ新車選びに勤しんで下さい。なぜかというと、走行中の耐荷重とフレームのしなり、振動による耐動性が落ちているので、思わぬ事故を誘発、下手すると大怪我をする恐れがあります。
その診断をするのに自信がない場合は、自転車屋さんに診断してもらって下さい。
●オススメするサビ予防
サビ取りが完了し、本来の金属色が見えてきたら、処理は成功でしょう。しかしこのままでは、「地肌むき出し」状態ですので、防錆加工を施します。
いくつかの方法がありますが、元の色のままにしたい場合は「クリア塗装」「防錆剤」などの処理、この機会に色を変えてみたい着色してみたい場合は「塗装」を施します。
しかし一旦、完成として早めに完了したいという場合は、「防錆剤」を塗ってやるといいでしょう。塗装するのは、そのあと考えてもいいでしょうしね。
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塗るタイプは液だれがしにくくオススメ。平筆などで伸ばして馴染ませると効果的
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少々広範囲になるならスプレー式が便利。自転車程度の広範囲なら、このタイプで十分だ
いかがだったでしょうか?
慌ただしい時はどうしても「見なかったことにしよう」的整備ポイントですが、少しでもサビを落としておくことで、愛車はいつまでも適正な能力を出し続けてくれます。ぜひトライしてみて下さい。
では今日も良いメンテナンスDAYを!