自転車用のスパイクタイヤなんてあるの?

「急遽、札幌に1月中旬から単身赴任が決定しました。東京からは遠い土地ですが、自然豊かな北海道ですので、オールシーズン、自転車でアチコチ出かけてみたいと思います。
ところで真冬の北海道って、我が愛車のグラベルロードでも雪道とか問題ないっすよね?チャリ通勤しようと思っているんで、中心部から少し離れた部屋を借りようと…(以下省略)」

そんな職場仲間からご報告メールが届きました。

。。。なに言ってんだこの野郎。北海道をなめるな。
真冬のドカ雪&凍結だらけの北海道で、自転車乗っているヤツは誰もいねーよ。そんなことより滑りこけないように歩く練習からしな。

…と、ご丁重にご返信しましたが、まぁ…最近はドカ雪少ない土地が多くなった現代日本です。北海道も昔に比べ幾分、一回の積雪量は少なくなったかもなーという感じですが、それでも降ります積もります。モノが違います。

今回は『雪国事情』を踏まえて、お題のスパイクタイヤについても触れていきましょう。

一晩で積雪50cmからスタート!が普通な北海道

そもそも北海道は札幌市で北緯43度。つまりどういうことかというと、ドイツ・ミュンヘンやアメリカ・ミルウォーキー、お近くはロシア・ウラジオストックとほぼ同じ緯度で寒い。

本州の太平洋側の人間が北海道(札幌)に冬期に赴くと、マイナス10℃が当たり前の北海道には、まぁビビる。いや、ビビるというか…肌に刺さる寒気の質が東京や大阪とは全く違いすぎる。まつげがシパシパする。

一度釧路までクルマでいった時は、見事になんでも凍るし張り付く。「ありのーままのー姿ぁ見せるのぉよぉ〜♪」なんて、運転し始めた時は呑気に車内で歌ってましたが、雪が深くなるにつれ、道の境目が分からんしガードレールも埋まって、どこからが谷なのかも分からない…

対面ですれ違うときに谷側のクルマは緊張する。踏み固められてない新雪だけに、車重でズボっと片輪が落ちるかもしれないとかビビるのだ。

「コンタクトレンズより、メガネの方がいいですか?」
というお話もありますが、それは大丈夫ですかね。大丈夫…というか、装着している時は普段の生活では問題は感じません。しかし「使い捨てレンズ」ってあるじゃないですか。アレ、浄水液に浸された状態でパッケージングされているでしょ?…凍るんですよね液が(汗。

『新品の使い捨てレンズの保管は、冷蔵庫に入れるといい』
っていうアドバイスを、友人から教えてもらったことがあります。

逆にメガネの方が、屋内と屋外の気温差でヒビが入る…とかの話は聞いたことがあるので、ご注意を。

また気になる降雪量ですが、130万人以上いる都市での世界降雪ランキング1位を誇る札幌。通年平均で約6mの降雪です。「降るわ凍るわ」の世界唯一のアイスシティだけに、なめてかかると痛い目にあいます。

ブロックタイヤ?それってスリックタイヤの仲間?と無意味なる事情

そんな中で「グラベルロードとか雪道でもいけるっすよね」なんて、とんでもハップン歩く練習から始めなさいっ!という訳で。冬に街中で自転車乗っている人は、クルマから『死にてぇのかこの野郎っっ』って怒られます。歩いている人からも注意されます。それが当たり前です。

「ブロックタイヤでもダメなのか?」

通常のMTBタイヤでは、氷の上では単なるゴムでしかない。止まらない止まれない。

…「ぶろっくたいや」ってなんですか?
あなた路面は普通に凍っているんですよ。ブロックなんて「飾り」です。おしゃれの一つしかなりません。雪があるところでは走れると思いますが、路面は夜は特に、帰宅時はすでに凍っています。スリック同然です。ドリフト遊び以前の問題です。

そこでスパイクタイヤの登場だ

「じゃあ自転車に乗らなきゃいけない時はどうするんだ」

…そんな状況は滅多にないかと思いますが、製品としては雪道や凍結路を見据えたタイヤ、「スパイクタイヤ」というものが自転車にもあります。それがこちら。

こんな製品、どこにニーズがあるのか分かりませんが、おそらく郵便配達員とかなのでしょうかねぇ。オートバイで回るより近場なら自転車で回る方が良い…とか? それなら4WDの軽自動車で回る方が安全で、かつ命もまだ保証できます。つまり競技などでなければ、かなり趣味性が高い製品なのは間違いないでしょう。他にも製品はあるので、是非こちらを見てやって下さい。

でもね。
いくらスパイクタイヤ履いたからって、こんな問題もあるんですってば。これはcharichariの経験からですが。。。

雪国でのリムブレーキは止まれない。まだドラムブレーキが有効か?

”ある日、スキー場のペンションバイトをしていたcharichariは、夜に近くの酒屋さんに行くのに、『ちょっと買い込むから自転車で出かけてやろう』と思い、何気なく自転車を使おうと思ったら…”

ブレーキが凍っていたんです。仕方がないのでお湯をかけて、発進したのですけど…

“酒屋が見えてきたので、減速しようと思い、ブレーキをかけたところ、リムとブレーキシューが冷えすぎて凍ったのか滑るっ!ツルツルで効かないっ!!! 必死に足で止まって難を逃れた…”

という危ないことがありました。
その自転車は前後リムブレーキ仕様の自転車だったのですが、翌日もう一台の自転車で、日中に試しに試走すると、まだドラムブレーキはいけました。但し後輪だけブレーキングするので、後輪が滑りまくるという、これはこれで、ちょっと困りましたけどね。

シューとリムの間に雪が詰まる…のはいいのだが、一晩でそれが凍る。それを解凍して走り出すも、今度はリムが走行中冷えて凍る。ブレーキをかけたら、シューが滑る…制動距離が伸びまくる。そういう理屈なのだ。

ではディスクブレーキはどうなんでしょう?
結構有効かもしれませんが、そんな実験をするために凍結した路面に挑戦を挑むのは、オススメはできません。

最後になりますが「ファットバイクはどうなのか」というお話も聞きますが、同じように意味がありません。タイヤが太くて車重が軽いファットバイクに雪道は、逆に中途半端にしか沈まなく、空回り気味になります。トラクションがかかりにくいんです。

見た目の信用度は高いが、それは圧雪した路面のみだ。新雪深い場所での走行は進めない。
信じられないだろうが本当なのだ。

雪道には、むしろ細身のタイヤが向いています。
ラリー車両でも同じだと思いますが、トラクションがかかりやすいように、わざとタイヤを雪深くまで潜らせれる細身タイヤを装着しています。

(出典:TOYOTA Gazoo racing.com)

自転車でも同じことが言えて、MTBタイヤか、それより細めの幅のスパイクタイヤが向いています。

だからと言って、雪国の街中で「雪道だっ! わーい♪」と、無邪気に走り出さないで下さい。周りに迷惑をかけてしまう恐れがありますし(ブレーキが効かないetc)、ご自身も怪我する恐れが高いので、冬期の北海道では本当に乗らない方がいいです。

…いかがだったでしょうか?
本州の人間が「実は知らない雪国事情」という今回のお話、ご理解頂けましたでしょうか?それよりまずは「歩く練習」をして下さい。慣れないと本当に転んでしまいますので、どうか宜しくお願いしますっ

それでは今日も元気にいってらっしゃーい♪

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