ホイールは消耗部品なのか?

今回は難しいお題を取り上げたいと思います。

自転車が自転車であるがための重要で、見た目も大きな部品がホイール。フレームやハンドルと同じように、ホイールによって見た目も印象が大きく変わる部品です。

このお話は、ロードバイクなどの趣味性が高い車両で、非常に取り上げられやすいお題なのですが、シティサイクル系ではほぼ、お話に上がらないと言っても過言ではないほど、軽視…というか話題に上がりません。

「交換時期ってあるの?」
「何が目安なの?」
「交換するなら、お値段はいくらかかるの?」

上がるとすれば、この3点が最初にくるお題なのではないでしょうか?
ここはひとまず、シティサイクル ラバーズに向けた、ホイール話を簡単にお伝えすることにします。それでも今回の記事は、ちょっと長くなりますよっと。
ロードバイカーの方々は「ほーん。そんな感じやわなー」と、温かい目で(?)ご覧下さい(笑)。

色々言われているけれど、要はこういうことだ

Webで見かけるホイール交換時期の代表例がこれ。

「交換目安は20,000キロ」

20,000キロは「約東京〜大阪間を往復20回した距離」です。そんなこと言われても、ちょいちょい乗っている分で、そんな距離を走っているのかどうかも分からんし、個体差もあるし駐輪での保管環境にも影響されるので、大してアテになりません。

写真のような大きな衝撃で変形は、即交換。でも全体の軽度な歪み程度なら修理は可能。ただしリムの損傷でたとえ凹凸が小さくても、修理が困難な場合がある。MTBやジュニアサイクルで、果敢なる走行から岩や側溝にはまり損傷され、「即交換一択」なケースは幾度か見たことがある。

では交換時期は、何を参考にしたらいいのでしょう?
簡単です。シティサイクルでは、これ基準で十分です。

1.事故などでホイールが破損・湾曲してしまった
2.ホイールリムがブレーキシューにより磨耗している
3.ホイールリムが、何かの理由で破損している

さらに詳し目を知りたいという方には、他のWebサイトでご確認頂ければ…詳細が書かれているかと思いますが、高価なホイールでも安価なホイールでも耐久性関係なく劣化します。高価なホイールの主な特徴は「軽い」「空力性能がいい」などが挙げられ、安価なホールは「汎用された製品」「そこそこの品質」というのが挙げられます。

どちらが良いのか、車体の仕様や乗り手の好みですが、ホイールの空力性能なんて…ライダーが受ける風の影響を考えると、大した問題ではありません(持論ですっ)。レーサーな方が自身の肉体を極限まで追い詰めて、さらに先の世界を見たい方に需要があるのが高価ホイール。それも20〜30万円前後のホイールでないと、おそらく意味がありません…(また持論です)。

ということで、シティサイクル車では「見た目で劣化が分かれば交換時期」「お財布とデザイン、お好み」基準でなんら問題ないですが、交換装着&整備の仕方で大きく変わります。

シティサイクルは車体そのものが汎用価格。交換は悩ましい?

先述のようにホイールを交換するとなれば、その大きさと製品の品質から部品価格だけで、新しい自転車が購入できる場合もあります。これまでの経験でママチャリであれば、汎用ホイールなら、一本¥3,000前後(22インチとして)ですが…クロスバイク(700cクラス)となれば、汎用製品で一本¥7000前後。
お気に入りの自転車なら『交換一択』でしょうけど、汎用ホイールの交換検討でも「同じ出費なら、これをきっかけに新しい自転車が欲しいかも」と考えてもおかしくありません。

また、たとえ20,000キロ走破 (20000キロ ÷ [1日10km x365日]=約5年)し、その頃にホイール劣化が認められたとしても、モノによりますが…たとえ車両本体価格の1/3、もしくは1/4ほどを占めてしまう部品なら、気分一新して次の自転車に興味を引かれても「5年乗られている」わけですから、普通にありえるお話です。

交換するならば、整備初心者は自分でしない方がいい

ロードバイク車両は、その最先端技術を惜しみなく投下し、愛好家に向けたレーサーレプリカモデルですので、愛好家にとっては「自分なりのカスタマイズ」への興味関心は非常に高く、また能力を最大限に応える部品も数多くあります。しかし部品価格は高額につき、彼らの車両扱いは非常に丁寧だからこそ、整備への関心も高く、日々の点検や整備、部品交換も自分で手がける方も多いです。

一方、シティサイクルは、普段の街乗り用、つまり「便利車両」として扱うので、ロードバイカーのように、頻繁に整備しようなどは比較にならないほど、整備頻度が少ない。タイヤの溝がツルツルになっても走っている自転車もあれば、パンク気味なことにすら気づかず、空気圧低めでも一生懸命ペダリングしている方も見かけます。

それを踏まえると、ご自身でママチャリのホイール交換をすることなんて「よしっワイも男やっ親父やっ!」と、家族のためなどの何かの目的目標がなければ、いくら男の中の男でも、整備初心者には行動に移せませんし、またいきなり交換作業するには工具も必要ですから、ここは速やかに自転車屋さんにお任せする方が良いかと思います。

交換、自分でしたいねんというチャレンジャーには

ここまでなんとなく分かって頂いたと思いますが、ホイールもやはり消耗品です。ただシティサイクルという車種特性上、劣化具合が損傷などでなければ、整備初心者には見極めにくいのと、整備点検の頻度がそれほど手がけられない、またその単価や作業&出費を考慮すれば、新車購入とのタイミングが被るケースが多いので、なんともなんともです。

それでも「いや、やる。やってみるやってみたい」と思う方は、ぜひトライして下さい。その時に注意したいことは以下の通りです。

(1) 自分の自転車に適応するホイールかどうか何度も確認すること
(2) 必要な工具が用意できるか確認すること
(3) 消耗品(リムテープ/タイヤチューブなど)は揃えておくこと
(4) 無理な予定でトライせずに、時間的余裕を持って挑むこと
(5) 交換後のホイールの廃棄処分方法を確認しておくこと

この5ポイントに気をつけられれば、なんとか交換作業にトライできるでしょう。

しかし無事に交換出来ても、それでOKではありません。なぜか?
実は最終工程があるんです。それは「振れ取り確認」です。

「振れ取り」とはなに?

先述のように、仮にホイールが「そろそろ寿命(錆やキズ、一部損傷や変形)で、気に入ったホイールに交換したい」という、ベストタイミングな状況を迎えたなら『ぜひ交換』となります。

そしてご自身で交換作業して、なんとか装着。「わおっかっこいいじゃんキレイやん!やれば出来るんじゃー」と早速走り出す…。まぁ良い場合もあるんですが、本当は『ポン付けでOK』とはいかないんです。

どういうことかというと、多くの自転車には「スポーク」という細い骨組みが車軸に向かって張っています。このスポークはホイールの外周を支える縁の下の力持ち部品。工場出荷時は、ある程度のテンション調整はされていますが、装着される自転車やユーザーまでは見切れていません。

そこでホイールを装着した後、自転車屋さんではスポークのテンションと、ホイールの歪みを調整する「振れ確認」をします。スポークの支点終点に「リップル」という小さな調整ネジがあります。

この調整ネジを「締める、緩める」ことで、ホイール全体にかかるテンションと歪み、テンション強度をバランス見つつ、均等にして仕上げることをします。

この作業を怠ると、段差での衝撃でホイールの歪みや異音などが発生しやすくなり、最悪の場合はスポークが折れたり、切れたりします。それを出来る限り避けるために、「振れ取り」というスポークテンションの調整をするのです。

[振れ取りとホイールバランシング、やると効果的]
振れ取りは主に「ホイールの歪みを修正する作業」で、ホイールバランスは「車輪回転重量の均等化を図る作業」という違いがあります。
タイヤを装着して車輪を回転させると、重い場所が下方に来て止まる。このバランスはホイールの振れ取りだけだと見えなですが、タイヤを装着させてチェックすると分かります。ホイールやタイヤなどの工業製品は、新品と言えども重量バランスは均一ではありません。
「振れ取り」と共にバランシングを行うことで、自転車の走行性能は上がります。小さなことでも効果は抜群。ママチャリでも体感できますので、自転車屋さんに相談してください。(参考ビデオ参照)

これも愛車に対してのカスタマイズの一つと言える。というか、これこそがカスタマイズの基本だろう。何も目立つ部品を交換することだけではない。車体にあった整備、乗り手の好みに調整する整備は安全運転にも繋がるのだ

交換する前に、自転車屋さんに確認しよう

ここまでお読み頂いて、「結構めんどくさいんやな」と思われた方、その通りかもしれません。自転車屋さんはその技術と経験から日常、整備販売されているのです。それを私たちは普通に購入して、当たり前のように乗っている…。なんともありがたいことです。

ということで、交換工具や消耗品などを揃えることで、自転車屋さんにお願いする費用とほぼ同様になりますし、整備点検質も高いことから、今回のホイール交換については、付加価値も含めて、お願いする方をオススメするわけです。

ホイールの交換だけなら工賃は、両方の車輪なら約¥5,000前後で済む。自分で工具をイチから揃えると、これ以上の価格になる。しかも保安点検も込みだけに、ここはプロに任せる方をビギナーにはぜひ勧めたい。

また「気に入ったホイールがある」という理由で、先に購入されて装着を自転車屋さんにお願いする方もおられます。おおよそ問題ないですが、いきなり持ち込んで「これ、つけて欲しいんですけどっ?」というより、購入前に一度、相談される方が気持ちよく応対して頂けます。

しかも購入前に「適応するかどうか」のチェックも出来ますので、先立ってカタログやWebから印刷した部品詳細概要などを持参されると、間違いが起きにくいでしょう。

しかしホイールを変えると走りが変わる

「交換するなら自転車屋さんに相談してから」
「費用&今後を思うと、新車購入も検討したら?」

そんなお話を含みつつ、ここまでご紹介しましたが、やはりホイールを交換すると見た目も変わりますし、走りも変わる。愛車に対して愛着度は非常に高くなります。

特に軽量ホイールなどのその効果は抜群。走り出しからコーナリングまで軽やかに感じ、車体と乗り方に見事適応されていたら、どこまでもスイスイいける感に感動します。

また安全運転の向上にもなりますし、今までの自転車がなんだか愛着が増しますから…ホイール交換という修理もしくはカスタマイズについては、charichariは「できれば交換」をオススメします。あとはご予算ですね。お財布とご相談ください(笑。

やっぱり長くなりました。最後までお付き合いありがとうございましたっ
それでは今日も元気にいってらっしゃーい♪

[備考]
ホイール交換とハブの関係性ですが、これも話せば長くなりますので、ここでは割愛しています。本来は「ホイール」「スポーク」「ハブ」の3つの部品から車輪が組み上がっていますが、ここでは一体型…つまり「完組み」を想定して記述させて頂いています。しかしこの詳細話をすると「完組み」「手組み」という話まで行っちゃうので…またの機会にするとして(するのかどうかというお話もありますが)…とりあえずご了承ください。

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