[お悩み相談] 自転車でキャンプ、いけるかな <後編>

さて前回の<前編>では、自転車ツーリングするなら「初心者はどのくらいの距離が良いか」「キャンプ場利用のススメ」「持っていくもの」などをお伝えさせて頂きました。

この「後編」では、引き続きキャンプに向けて準備をしておくと良いポイントをお伝えしていこうと思います。

 

 

●現地での料理はゴミが出ないメニューを考えておこう

よくキャンプ場の炊事場で御飯時になると、それぞれ友人同士や家族、カップルなどが集まって料理をしている光景があります。キャベツを切ったり、飯ごうでご飯を炊いていたり…。なんか夏のキャンプ場の炊事場って、昭和の良き光景みたく風流を感じます。

しかしこの料理で発生した生ゴミ、キャンプ場は勿論、ゴミ捨て場を設けていますが、繁忙期のゴミはすごい量になっています。収集車があまり来れない場所によっては「なるべくお持ち帰り下さい」の張り紙をされている施設さんも多いのですが、お客さんの協力も個々の衛生上、なかなか難しい場合もあります。

また施設でなく人里離れた山中にて野営すると、生ゴミを「自然の肥料におなりなさいっ」勢いでテント周辺に撒き散らしたりする方がいますが、その行為は止めて下さい。野生動物が寄ってきたりするので危険です(クマ/イノシシ/野犬/猿/など)し、場合によっては環境破壊の一端になることもあります。

 

であればメニューを事前に考えておき、前日までに仕込みをしておくと、ゴミが出にくく持って帰るゴミも最小限で済みます。

それらを踏まえて、一体どんなメニューがいいのか?charichariがオススメするメニューはこちらです。

 

 


[charichari流 定番キャンプメニュー・ベスト4]

 

1. パスタ / ペンネ

オイル系がオススメ。ベーコンとしめじパスタ、ジェノベーゼほか、ソーセージと玉ねぎ&ピーマンなど、比較的常温でも1日くらいなら痛みにくい食材をカットして、ラップに包んでいく。

ジェノベーゼなどのソースは、瓶に入れて持参。

パスタは現地で茹でるが、茹で汁は次の日の朝のスープに活用。この時、先述の空き瓶があれば、冷めたスープを入れて、朝まで保管する入れ物にする場合もあり (虫などが多い場合)

 

 

2.野菜炒め

現地で炒めることを考慮して、カットしてジップロックへ。根菜系は場合によっては、そのまま持っていく場合もあり(ただし焚き火による調理をする場合のみ ←理由:燃やせるから)

 

 

3.肉類

キャンプする場所によりますが、野営の場合での生肉持参は、ほとんどしません。というのは衛生面と野生動物(野犬も含)を呼び寄せてしまう危険性があるからです。持ち込む場合は「ソーセージ」「ベーコン」といった加工肉のみにしています。

 

 

4.リゾット

無洗米を必要分持参。リゾットは生米から作るので好都合。しかも人数が多い場合のメニューとしても有効。チーズは「溶けるスライスチーズ」などを持っていく。余ったチーズは次の日の朝食にもなる。

 

 

[他、持参するもの]

*これでバケットあれば完璧。

*飲み物はアルコール系ならポケットウィスキーを持参して現地で水割り。コーヒーも持っていきますが、インスタントコーヒーの粉末を一人前ずつ、ラップで小分けしてジップロックへ。

*塩や胡椒は小瓶のまま持っていきます。


和食でもいいのですが、思いのほか調味料が荷物になるので、洋食メニューがオススメです。

 

また、よく「キャンプといえばカレーやろっ!!」というボーイスカウト的発想をする方が多いですが、カレーは少人数には不向きです。しかも調理器具の洗いが大変なので、自転車キャンプではあまりオススメ出来ません。

即席ラーメン系は「袋麺」がオススメ。秋のキャンプで袋麺を食べると、すごく美味しいです。残ったラーメンスープをとっておいて、焼き飯の調味料にするのもいいでしょう♪

 

 

●現地の天候は、こまめにチェック

日本でキャンプをする場合、ある程度のエリアまで携帯電話の電波は届いています。特に山あいの天気はよく変わります。夜、お休み中の天候(チェックをよく忘れがち)なども注意して下さい。

また野営の場合、テントを張った周りには、溝を掘っておくといいです。テントから滴った雨水が、テント内に侵入することを防いでくれます。


(出典:M-FIELD )

写真のように、テントから雨水が滴る場所に溝を掘っておく(深さ4〜5cm程度)ことで、テントへの浸水が一定時間、確保できます。そしてその溝はテントを一周させ、排水させる溝を四角(よつかど)からそれぞれ、放射線状に外側へ溝を掘って、テントから離れた場所まで水が流れるように溝道を作って下さい。

しかし最近の天気は、この溝道でも賄えない局地的ゲリラ豪雨が度々、起こります。テント設営した場所が穏やかな小川…のように見えても、一気に水かさが増して、鉄砲水が発生することもあります。

野営する場合、周りの石(移動した感がある大きな石)や、倒壊している木々(流木した様な倒れ方…何かに引っかかっている様な止まり方)から『かつて流された感じがある』ものが確認されたら、魅力的な野営場所でも避けたほうがいいでしょう。

 

 

 

●現地の地形環境は、しっかりチェック

先述の通り、キャンプ施設場では、日本ではそれほど気にしなくてもいいですが、それでも野営ではチェックするべきです。そのチェックポイントを簡単にお伝えしましょう。



(野営出来そうかもスポットから周囲を見渡して)

1. 山肌が見えている場所がある

あたりをザッと見渡して、囲まれている木々の間から茶色い山肌が見えているのが確認出来たら、今いる場所は、その山肌より下流となるかどうかチェックして下さい。同じ山肌からさらに土砂崩れが起きる…のではなく、その削れた上部と、その左右が崩れる恐れがあります。大きな石も転がってくることもあるので、避けたほうが無難です。

 

2. 地面がヌメる

見た目「わっいいところやん♪」と思えても、地面に湿気が多分に含んでいると…夜、ヤブ蚊に苛まれます。また近場になかなか乾かないのだろう湿地スポットなんてあったら、山ヒルもいちゃったりします。気をつけましょう。

 

3. よく分からない糞が落ちている、もしくは臭う

完全に動物の糞尿なるブツ、もしくはそのかぐわしい香りが、どこからともなく漂ってきたら、そのスポットは野生動物の憩いの広場…ということがあります。季節によっては動物にとって「狩の時期(夏終わりから秋)」ですので、襲われるケースも否定できません。

また人間が踏みならしてない、明らかにイノシシレベルの獣が通った草木の倒れた、まるで「トトロの寝床までの一本筋」も同じハザードサインです。

 

4.かつて水が流れた痕跡がある

これは先に説明した通りですが、「山間なのに、角が丸い石がいくつかある」や「小枝の塊が不自然に大きく蓄積されている」なども一つの目安になります。天気予報では『全国的に晴れ』でも、その数日前まで現地は雨が続いていた…からの、当日の夜に「局地ゲリラ雨っ」などになったら…。もうあなたの名前は、デスノートに書かれたも同然かもしれません。

言い過ぎたかもしれませんが、つまりそこは山にとって、雨水が集まりやすい場所ですから避けたほうがいいです。

 

 

 

●野生動物に気をつけて


(出典:Yorkton This week)

 

”まさか…クマに襲われるなんて…よっぽどちゃう?”

襲われるとかの傷害ではなく、出没する場合があるんです。これはキャンプ施設場でも同じなのですが、最近の野生動物は、気候変動によって、食べれる獲物が移動し、それに伴い大型動物も移動するということが、世界的に起きています。

その移動したことで、道中にキャンプ場や森林近くにあるコンビニなどに、「おやおや??こんなところに美味しそうな匂いがするぞ」と、森のクマさんがガサゴソとゴミ捨て場をあさる事例が起きています。

上の写真の2頭のクマさんは、イギリスからの話題「Lots of bear sightings in Southeast Sask (サウスイーストサスクでたくさんのクマの目撃情報)」(8/5 Yorkton this week) で使われているものですが、イギリスでも日本同様にツキノワグマが生息しています。彼らがキャンプ場に出没することが多く、エサを求めて人里に来ることもあるそうです。

日本では今年、長野県でご老人が襲われて亡くなられた事件がありましたが、イギリスと同様に珍しいお話ではありません。

”ゆるキャン”とか、ソロキャンプが注目を浴びていますが、自然の世界で生きている動物のテリトリーに入ることにもなっています。素人とか玄人などの経験値レベルのお話ではなく、野生動物にとって人間は『敵』であり『的』です。

野営スポットは十二分に注意して下さいね。

 

 

●そのほか注意すること

そうですねぇ…以下のことは守って欲しいかもですね。

 

1. 焚き火の後始末はしっかりと

消火だけでなく、土で埋めて下さい。水をぶっかけて撤収…だけでは、消火は完全に出来てないことが多々あります。特に炭となった軽量な燃えカスは、風で簡単に転がっていきますし、周辺を火の海にしてしまう恐れがあります。

 

2. 生ゴミや発生した包装ゴミなどは持ち帰ること

野生動物の誘いエサになるだけでなく、プラごみを飲み込んだ動物の健康被害も生じます。また地中にも生物はたくさんいますので(モグラもオケラもミミズなども)、塩茹でしたパスタ湯や、調理した油などの廃棄はNGです。植物の根もかなり損害を受けます。『来た時よりも美しく(元あった姿へ)』の心がけを守って下さい。

 

3. 隣人を頼らないこと

キャンプ場でよくあるのが盗難。貴重品だけでなく自転車やオートバイまで被害を受けるケースもあります。仲良くなることはいいことですが、過度の信頼はしないほうがいいでしょう。

charichariは一度、テント横に止めていた自転車を盗まれたり、バイクのヘルメットを盗まれたりしたことがあります。自転車の犯人は、隣のテントにいた気のいいおじさん。防犯カメラで自身の車に、charichariの自転車を積み込んでいる姿が残っていて逮捕されました。ヘルメットは…分かりません。気に入っていたヘルメットだけに非常に辛かったです。

 

4.電子機器ばかり見ないこと

携帯やパソコンを持ち込んで、ご自身のブログやYoutubeへのUpのために必死になっている方が見られますが、なんのためにキャンプに来たのか…と思ってしまいます。撮影もそうですが、普段の生活でも出来ることは、ご自宅でして下さい(笑。空を見上げ、静寂に身を委ね…自然のパワーをたくさん吸収することに努めましょうっ

 

5.泥酔しないこと

こちらも、ご自宅や居酒屋でして下さい(大笑。周りの人に迷惑ですっ

 

6.お子様をあまり強く怒らないで

お母さん、そしてお父さん…周りがビビるので、抑えて下さい。環境変われば子供はテンションMAXです。仕方ありません。怪我や行方不明にならないようにだけ、ご注意しつつ、一緒に楽しんでいる姿を周りに見せつけて下さい。そのハッピーな家族模様が、日本の少子化を救う一端になるはずですっ♪

 

…という感じです。

 

 

●あったらいいなと思うアウトドアグッズ

最後にキャンプで役立つ「持っていくと便利なグッズ」を、経験踏まえて、少しだけご紹介します。あ…テント本体は好みが様々、サイズも色々なので、ご紹介は割愛しますね。

 

▼懐中電灯

ハンドライトもいいですが、キャンプの時はランタンにもなるものが便利。テントの中に吊り下げたり、足元にも置いたりできますしね。そんなに高くないコチラ、なかなかの光量があって、真っ暗な夜には本当に助かります。

 

 

▼携帯用ソーラーチャージャー

モバイルバッテリーを持参するのもいいですが、いつでも充電に困らないソーラーチャージャーは使えます。もちろん家庭用コンセントからの急速充電とはいきませんが、自然相手に発電してくれるのには、なかなか優秀なアイテム。キャンプでは重宝しています(特に朝、出発前とか)。

 

 

▼どこでもベープ

電池式の防虫剤です。テントに蚊が入って来た時ほど嫌なものはないです(笑。ここは文明の技術を使わせて頂きましょう。

 

 

▼ エアーマット

キャンプする時、地面は凸凹していることが多く、寝袋だけでは「寝にくいことこの上ない」です。エアーマットあれば、石などの凹凸を防いでくれるので便利。しかも空気を抜けばコンパクトになるので携帯性も文句なし、です。

 

 

▼ ボストンバッグ

意外に見えますよね? 自転車にリアキャリアをつけているなら、大きめのカバン一つに荷物をまとめて、荷くくり紐で固定してやるほうが便利です。オートバイでツーリングした時、最初はパニアケースを使っていましたが、宿泊地に着いてからの取り外しが面倒で、このボストンバッグに全てを詰め込んでました。防水仕様でオススメですっ

 

 

いかがでしたでしょうか?

「この夏にやってみたいなぁ」と言っていた友人からの相談は、この記事を持って伝えようと思います。

さっちゃんっ! 行くなら参考にしてなっ!!

それでは良いキャンプになりますように♪
元気にいってらっしゃいっ

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