カラータイヤは、なぜダメ派が多いのだろうか?

この手の話、charichariの周りでご質問を受けることが多いです。

『あのー、カラフルなタイヤってどうなんですか?(オシャレに見えるけど、いい評判聞かないもんで…)』

 

charichariからこういった質問に対してお答えするのは

「巷ではよく見ますよね。でもご想像の通りでオススメは出来ません」

 

とダメ派よろしくお伝えしています。その理由はなぜ…?

 

 

■ 色が問題ではない。素材が問題なの

『タイヤは黒っ!』色の理由とか云々ではなく、そもそもの製品質に疑問があるからです。というのも自転車もオートバイもクルマも同じですが、この『タイヤは黒っ!』の理由はタイヤ製造の際に炭素を入れて強度を増しています。カラータイヤを製造するには、この真っ黒な炭素をほぼ入れないことを求められます。

 

 

 

■ 炭素ってそんなに優秀なのか?

もともとタイヤはダンロップを筆頭に1890年前後に開発、その後ミシュランも加わり進化したもので(グッドイヤーはそれ以前にきっかけがあったというが…さて?)、最初の製品は樹脂のみの丸ごとゴム製品でした。その後ミシュランが空気を入れて使用する、今のタイヤの原型を開発、自動車レースに出場したことで、「軽くて衝撃も少なくなりグリップも増す」とかなんとかで注目を浴びました。しかし樹脂だけでは摩擦や高速回転による熱(ねつ)帯び、さらに屋外で使用するには日光による劣化が著しかったらしいです。輪ゴムと同じ劣化原理でしょうね。

そこで炭素を混ぜ込んだところ、すこぶる相性がよく、かつ劣化を大幅に鈍化させることが出来ました。1910年代の頃です。当時アメリカでは「T型フォード」という大衆自動車が販売されたことも拍車がかかり、炭素入りタイヤは大ブレイク…いやニーズが一気に拡大しました。

炭素は英語で「Carbon」。そうカーボンです。現在でもカーボンはフィルム製品や宇宙機材まで使用されている耐久性が高くしなやかな加工が可能、しかも軽量化を図れる万能素材。他素材と混ぜ合わせても比較的広い相性性を持っています。

樹脂と炭素を混ぜ合わせることは、気温や路面、耐熱や耐光にも、樹脂だけのタイヤよりも耐久期間を長められることで100年以上もこの技術は受け入れられているのです。

 

 

 

■ ではカラータイヤは炭素なしなのか?

基本的に炭素は黒なので、カラータイヤには炭素は含めることが出来ません。また「炭素がないからカラータイヤがNG」というのは乱暴なのですが、タイヤ強度を増すには「炭素」と「シリカ」が必要です。それらが他の配合剤と合わせて製造され、求められる環境に合わせたタイヤに向けて開発されているので、カラータイヤの強度は全くないわけではありませんが、カラータイヤに補強材の担い手である「炭素」が含まれてない分、比べるとどうしても劣化が早いのは否めません。

ただ炭素入りのカラータイヤ開発も進められてはいます。炭素の成分は活かして色だけを脱色できないかどうかを、メーカーは取り組まれているのは確かで、その炭素は『ホワイトカーボン』というものです。ただ市場には製品としてはまだ出回ってないこと(近年、ベンチャー系企業からリリースされたことはありましたが)から、どうやらまだコストとリリース価格とのバランスが取れていないのではと思われます。

 

 

 

■カラータイヤを、おススメしないのはなぜか?

「だからカラータイヤはダメなのだ」ではなく、私たちが使用する自転車は軽快車などを筆頭とした一般道を使用することで、段差などの衝撃、路面温度、雨天や雪道、好天でも熱射が強いなどの環境下を加味した上でタイヤは選ばれています。

それは普段の買い物で使用するママチャリの様な軽快車だからこそ、メンテナンスの回数をなるべく減らし、安全で確実にグリップするタイヤが「当たり前」で、オバちゃんが鼻歌交じりに乗って頂くことが大前提となります。

その環境下を想定した上で、耐久性や安全性に今ひとつ疑問を感じるカラータイヤをオススメするなんて…とてもじゃないですが、なかなか使用することは出来ないなぁというのが本音です。

 

 

 

■カラータイヤは、あくまでディスプレイモデル

実用にはカラータイヤの使用は進めませんが、例えばファッション雑誌での掲載、ショウウィンドウでの展示、芸能人などの写真撮影やビデオ撮影の小道具、サイクルショーなどで展示されている展示車両の演出道具としてカラータイヤは有効です。ファッショナブルですしインパクトありますしね。

そういった展示や印象訴求を主にした使用方法であれば、カラータイヤはオススメしますが、現時点では日常での使用はまだオススメ出来ません。

近い将来、実用でも十分に耐えられる様になれば…クルマもオートバイもトラックも、街で通り過ぎる度に華やかな道路になるんでしょうね。そんな時代が来るかもしれないなんて、とっても楽しみです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

カラータイヤは魅力的ですが、こういった理由からオススメしにくいんです。

 

補足ですが「グリップについてはどうなのさ?」というお話もあります。最近の自転車タイヤメーカー製の高級タイヤでリリースされているものも少なからずあるので、そういった製品は実用での信用は出来るのかなと思います。ただcharichariは使用したことがない(信用出来るメーカータイヤからでも…1本12,000円などのカラータイヤを試すまでは、ちょっと…笑)ので計り知れません。

また消耗度は通常のタイヤより早いはずですので…ロードバイクやマウンテンバイクなら、グリップ能力は短期間だけということになると思います。その場合、路面環境や気候を踏まえてレースなどで、あるチームがチョイスされたのが結果的に競技用カラータイヤだったというお話はありだと思いますよ。そのチームのメカニックやディレクターは、あらゆる可能性を多角的にテストしてから使用されていますからね。

 

 

というわけで以上、カラータイヤのお話でしたっ

では今日も安全運転でいってらっしゃい!

 

 

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