シティサイクルをアップデートしよう(その2「ブレーキ強化」)
*時々言われるんですけど、ママチャリにドロップハンドルは付けない方がいいです。一言で言えば「不安定な事この上ない」です(charichari経験による)。
前回に続き、今回のシティサイクルのアップデート、今回はその2「ブレーキの強化」です。
ブレーキの強化には、簡易なことから難易度高めなものまで手段がありますが、ここでは主にブレーキパッドを交換するといった「簡易」カスタムをお伝えしましょう。(え?「主に」…!?)
●ブレーキの種類はこれだけある
ブレーキパッドの交換には、まずご自身のブレーキの種類を確認して下さい。基本的には以下です。
[前輪]
+リムブレーキ (V型 / キャリパー / 他)
+ローラーブレーキ
[後輪]
+リムブレーキ (V型 / キャリパー / 他)
+ドラムブレーキ
+サーボブレーキ
+他
こうやってみると、たくさん種類がありますよね。「ちょっとめんどくさい…」と思わずに(笑)、少しお話に付き合ってください。とは言っても、ここでは各ブレーキのウンチクを語るテーマではありません(だって『既存のママチャリのアップデート』ですので)。ですので、”カスタマイズできるか否か”がお話の軸になります。
●ブレーキのカスタマイズは気軽には難しいか!?
結論からいうと…
『フロントブレーキ以外、(簡単に)カスタマイズは出来ない』
と思ってください(実際は出来ますが)。理由は以下です。
+ドラムブレーキ
別名『バンドブレーキ』。後輪の車輪軸のチェーンと対面に、丸い物体(色は銀もしくは黒)がソレ。これのカスタマイズは新品への交換のみ…と言い切りたいところだが、「音鳴りが何をしてもうるさい」「効きが(調整しても)悪い」という方には、作業時間1時間程度の「サーボブレーキ」「メタルリンクブレーキ」へのアップデート方法(丸ごと交換)がある。
+サーボブレーキ
ドラムブレーキの改良型。ドラムブレーキとパーツ自体の互換性がある。最大の特長は、音鳴りがしにくい構造になっている。*但し異音やサビなどによる著しい劣化が見られる時は「新品のサーボブレーキ」、または「メタルリンクブレーキ」への(丸ごと交換)アップデート方法がある。
+ローラーブレーキ
耐久性抜群の汎用性ブレーキ。音鳴りしたらグリスを専用穴から注入すれば、ほぼ直る。参考までにおおよその耐用年数をいえば「10年は軽く使える」と言われている。寒冷地でも信用できる(事実、氷点下2桁でも平気で使えた)頼れるブレーキだ。*あくまで「ママチャリでのお話」です。
もしあなたのママチャリがドラムブレーキで、後輪のストッピングパワーを求めたい場合は、丸ごと交換でローラーブレーキに付け替えることをオススメします。
●ローラーブレーキを進化させたニューアイテムとは?
「ところでcharichariさん、ローラーブレーキの説明の最後に「ママチャリでのお話」って、もったいつけて言っているけどなぜ?」
「… (気づかれたか)」
…ローラーブレーキ、弱点が1つありましてね。。。ブレーキ時の発熱量がすごいんです。峠の下りや高速走行からの頻繁なるブレーキングを繰り返していると…ブレーキの効きがスィーティになるんです。あ、甘くなるんですよ効きがね。なんでヒルクライムなどご趣味の方のロードバイクにつけたら殺人…。
しかしそれほど速度が上がらないママチャリなら、まぁ問題ないでしょうが、坂道が多い地域にお住いの方は、奥様の自転車やまぁまぁ大きめのお子様の自転車にローラーブレーキがついていたら、ブレーキのかけ方に注意を促して下さい(速度と制動距離は充分に)。
ただリリースしているメーカー様も、この問題に対して静観していません。ローラーブレーキの進化版として…
「ハイパーローラーブレーキ」!
従来のローラーブレーキの課題点だった「効きがイマイチ」「熱がこもるとスィーティ」を大幅に改善したNeoジェネレーション部品! シティサイクルはもちろん、車両によっては電動自転車にも取り付け可能です。取り付けに注意するところは、センタースタンドとの干渉、その他の部品に干渉ってところですかね。
効きについては他のブログでも書かれていると思いますが(探してないので見てみます)、ブレーキレバーを握った時の制動感覚は、ちょっとV型ブレーキっぽく、キュっと効き安心感あります。
興味のある方は、まずは自転車屋さんに「どうなの?取り付けできるの?お高いの?」など相談して見てください。
● さて本題のリムブレーキのアップデートだが
ここまで来るのに長くなりましたが、アップデートがしやすいリム型、こちらについてお話しましょう。
仕組みは簡単で、ホイールのフチに沿ってブレーキシューを挟み込んで減速するという方法です。この形状がよく好まれているのは、メンテナンスが非常に楽で、かつ制動性も優れているからです。
多くのシティサイクルに採用されていて、特に前輪の採用率は85%程度占めるのではないでしょうか?
このリムブレーキのブレーキシュー交換するにあたっての作業方法は、以前にご紹介した記事をご覧いただくとして…
「ブレーキ ❶ ~ブレーキシューを交換しよう~」
「ブレーキ❷ ブレーキワイヤーの注油をしよう」
アップデートするんですもんね。今回はどんなブレーキシューがいいのか…
+W/O型 (平面が平行)
ママチャリによく採用されているブレーキシュー。もちろん同型新品にアップデートするのもいいが、それほど高い部品ではないので、この際グレードアップしましょう。ってことでこんなのがオススメ。
[SHIMANO(シマノ) R50T2 ブレーキシュー [Y8JY98071] BR-4600]
軽快車に装着できるにしては上級グレードを誇る。汎用性は高い。磨耗性が高くダストも少ないのは嬉しい。もうヴァージョンダウンは出来なくなるほどの感動が、ここにある (ちょい言い過ぎかも)
注)リムにはアルミホイールとステンレスホイールがあります。ブレーキシューにも「リム:アルミ用」や「リム:ステン用」がありますので、ご確認ください。ちなみにこれはアルミ用です。
注2) キャリパーとの相性の問題があります。つまりシューがキャリパーに勝ってしまうことが稀にありますので、装着初期は制動距離を十分にとって慣らしてください。
+HE型(平面が斜行)
同じくママチャリにも使われている型式。「WO型とどう違うのさ?」ですが、リムの角度や幅が違うんです…。ヨーロッパ規格が「WO型」で、「HE型」がUS型。MTBとか小口径車とかはHE型が使われていることが多いですね。
見分け方はタイヤやホイールに刻印されています。
・WO型なら『WO』もしくは『「20 X 3/8」の小数点が入る刻印
・HE型なら『「20 X 1.75」などの小数点』が入る刻印
それが目印なんですが…いやこれはHE型、もうネットショップではほとんど売ってないんですね。クリビツテンギョウでした。唯一ママチャリ用で見つけたのがコレだけ。。。
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HE型のママチャリでお悩みの方、もうタイヤとホイールを変えたほうがいいかも前輪だけ。
注)リムにはアルミホイールとステンレスホイールがあります。ブレーキシューにも「リム:アルミ用」や「リム:ステン用」がありますので、ご確認ください。
●ブレーキキャリパーの交換をお考えの方へ
「ブレーキシューを交換しただけで、自転車の制動は高くなるけど、アップデートというかマイナーチェンジぽくない?」
いやそんなことはないですよー。
クルマやバイクだって、ブレーキパッドをアップグレードに交換することで、制動距離の短縮による制御の高機動化がアップ。コーナリング手前のブレーキングが安心確実に出来ます。
でもおっしゃる意味はわかります。自転車でのブレーキシューの交換は「単なる整備」の部類にイメージ、入りそうですよね。そんな方々にはこの方法、ブレーキキャリパーのアップグレード化です。
通常のブレーキキャリパーは「シングルピボットブレーキ」と言われるもので、制動感覚は普通の感じ(そりゃそうですよね)。この「シングルピボットブレーキ」でのアップグレードもいいかもしれませんが、どうせなら、これよりカチッと制動してくれる「デュアルピボットブレーキ」にすると…
「羊(ママチャリ)の皮を被ったオオカミ(ロードバイク)」
へさらに近づけるかと思いますっ!
さぁママチャリにデュアルビボットブレーキを装着することができるのか!?そしてV型ブレーキのアップデート化は果たして!
このお話は長くなるので…次回にっ!
今日も元気にいってらっしゃい!!