日本はなぜレース文化が根付かないのか

 

●日本のレース事情

毎年7月、自転車レース最高峰と言っても過言ではない世界的レース『Tour de France(ツール・ド・フランス)』が開催されているが、日本では継続された自転車の国際大会はUCIアジアツアーのロードレースくらいかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=oTrl1GOmPRc

2018年のTour de Franceは、例年以上にドラマティックな展開となった

 

 

かつてフジテレビが中心となって中継をしていたF1グランプリ(セナ、プロスト、アレジ、ピケ、中嶋悟の時代)や、TBSそしてTVOやWOWOWで放送されたMoto GP(オートバイレースの最高峰。キングケニー、スペンサー、ガードナー、平忠彦の時代)は、誇り高い日本メーカーや日本人が世界に挑戦するといったワクワクと好景気の影響もあって華やいだ。

さらにルマン24時間耐久レース(当時はTV朝日で中継)、WRC世界ラリー選手権(当時NHKで中継)、パリ・ダカールラリー(当時TV朝日で中継)など、日本では当時十代だった男子がヨーロッパのレースやそのスタイリッシュ感に夢中になり、バイト代を貯めてまで鈴鹿サーキットに足を運んだものだが…今では中継がほとんど無くなり、レース文化を次世代につなげるにしても困難な環境となっている。

もちろんインターネットの普及によって、”いつでもどこでも見れる”とはいえ、手軽に視聴出来すぎて『へー、こんなのやってんだぁ』と、小さなフレームサイズで俯瞰的に見られてしまい、「凄い世界なのに凄く見られない」という、なんとも悲しいモニター観戦環境だ。

そりゃリアルで見れれば、超したことはないが…見る方も「先立つモノ(お小遣い)がねぇっ!」という懐事情もあり、興味はあれど余裕がない時代となった。

https://www.youtube.com/watch?v=nfeWL15nsaM

マクラーレンホンダで、セナとプロストが同チームだった1988年は、最高に面白かった。

 

 

 

●熱くなりにくいのか!? 日本人って!?

しかしこれだけではない。そもそも多くの日本人はタイマン勝負系スポーツ(対チーム、対個人)は好きなれど、多数のチームで1位を狙う運動会的なスポーツは、苦手じゃないけど馴染みにくい。ヨーロッパのレース文化は『憧れはあれど、わかりにくい』という風に見られがちだ。特にWRCなどの選手権は、各コースステージにポイントがあり、その加算制とタイムとの計上によってグランプリを決定するので、シンプルにレース観戦しにくいだろう。ましてや知っている選手やメーカーなど、応援しやすいキーワードがなければ入りにくい。

そういった巴(ともえ)事情から、『Tour de France(ツール・ド・フランス)』も、日本では”マイノリティ・ファン”が盛り上がるスポーツになっちゃうのかもしれない…

でも言えるのは「レースは面白い」なのだ。自転車もオートバイもクルマも、メカニックがいてチームスタッフがいて、スポンサーがいて、選手がいてファンがいる。命を削って無我夢中で走る姿や、寝る間を惜しんで車両整備する油まみれの姿は、シンプルに「惚れる」。その清々しい姿勢には、かつてみんな持っていた『(自分は出来なかったけど)夢中になっていた、かつての自分』にオーバーラップしたい or そうなりたいと思うからこそだ。だから素直に1位になったチームや選手には、新しいスター登場に拍手で讃えるのだ。

 

「日本には浸透しにくい」と先述で言い切ったけど、本心は「みんな素直じゃないんだからっ」と、レースの醍醐味を知らないで距離を保つ人たちの肩を押して「ほらっ! 凄いやろっ! みんな本気やでっ! この姿を見てなんか感じひんか!?」と下世話に伝えたい気持ちでいっぱいだ。

一度でいいから「どのチームか決めて、そのチームを応援する」ことから始めて欲しい。チームとしてはアレだが、ファンとしては応援しているチームが負けてもいいんだ。ただただ、ひたむきにグランプリを目指す真っ直ぐで火傷するほどの熱量に、心打たれて欲しいかな。好きな選手やマシンに興味を持つのは、それからでもいい ー。

https://www.youtube.com/watch?v=gtFLW0x5gSc

2016年、世界でも話題となったWRCレースで大破したシトロエンが、30分程度で復活させた映像

 

 

 

とグダグダ書いたが、charichariはもともとモータースポーツが大好きである。そこから派生してエアレース、自転車ロードレース、そしてメカニックへの興味探究、自分のクルマやバイク、自転車をカスタマイズしていく楽しさと発見が見出せた。

今、この『自転車整備のスス芽』では、そういった背景もあって自転車だけではなく『自転車と一緒に〇〇』というような関連性がある記事もドンドン紹介していければと思ったりしちゃったり。

若者の”クルマばなれ””バイクばなれ” ”TVばなれ” とか何かと言われちゃうけど、文化を作ってきたのは、そういったひたむきな熱いシーンの積み重ねのはず。熱さを忘れない『自転車整備のスス芽』でありたいものですっ!

 

 

今回はなんとなく、思いついたテーマで書きなぐってみたけど、楽しめた文章でしたでしょうか? ちょっと「レースなんて…」とかいう話を聞いたもんですから、すごく寂しさを感じたんだ。ここまで読み付き合ってくれてありがとうございました。

 

それでは週末、楽しんでいきましょう!

 

 

 

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