自転車はどのくらいの荷重に耐えられるか

このテーマは自転車の「闇」というか…明らかな重量数値は『車両による』というお話もあり、なんとも言いがたいお題です。しかし健康優良なる男女であれば、若かりし頃に誰しも通る2人乗り(2ケツ)から、一度は疑問に思ったことがあるかと思います。

「一体、何キロまで自転車は乗れることが出来るのだろう?」

その疑問について、我が自転車整備のスス芽ではリサーチをしてみたいと思います。

 

自転車には最大積載量の基準が設けられている

自転車にも規格基準というものがあり、「工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人自転車産業振興協会(JBPI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格 (出典:http://kikakurui.com/d9/D9301-2013-01.html)」であるJIS(日本工業規格)規格と呼ばれるものがあります。

経済産業省では平成30年9月20日に、最新の自転車にまつわるJIS改定を行っており、電動アシスト自転車に向けた一部改定、またこれまでの「日本工業規格」名称から、平成31年7月に『日本産業規格』(JIS呼称は変更なし)に変更、申請関連の迅速化を図ったオペレーション変更などを盛り込んだ内容を公開しました。

経済産業省 / JIS法改正(産業標準化法)

 

 

 

 

そのJISで自転車の「JIS D 9111 に定める大分類」にて左の製造品質基準を設けています。この表はJIS D 9111に書かれている数値をわかりやすく、ドッペルゲンガーさまが表にされたものです(出典:DOPPEL  GANGER)。これによると『大人用自転車は65kgまでの体重の方が乗れる車両です』という基準になります。…あれ?そんなに乗車人員の体重制限は軽いの?

 

 

じゃあ…ロードバイク乗っている、このお相撲さんは…

(記事出典:「じてそく」)

 

 

 

 

 

 

 

 

きっと色々と耐荷重改造されているのでしょうっ!(汗)

しかし規格で「たった1人で65kg」の乗車定員というのは基準が低すぎる気がします。体格が良い180cm以上の男性は現代では沢山います。その人たちの体重をみると70kg程度の方もしくはそれ以上の方が多いです。それでも自転車に乗車されていますし「重さで故障した」とはあまり聞きません。

 

 

65kg以上だと自転車にとっては苦行でしかなかった

国内メーカー2社に聞いてみたところ、以下のような答えがありました。

「自転車そのものとしては、人、荷物込みで総合95〜120kg程度までの耐荷重性能はあります。ただ部品はJIS規格に基づく製造をしているので、65kg以上の荷重が増えるにつれ劣化速度は速く、10kg程度ごとに約10%づつ劣化進行は早まっていく傾向と結果が出ています」

 

ではあの青春の風物詩「彼氏の運転で彼女と2人乗りで荒川の土手を走る」とかなんとかは、自転車にとって過酷な試練と各部品の見えない支えがあっての賜物だっとということなんですかっ

いきなり壊れることはないにしても、自転車の劣化は著しく進ませているということなんですね。そりゃおまわりさんも「2人乗りはダメだよ」と注意しますよね。

 

 

荷物などの積載は最大15kgまでが目安

とはいえスーパーで買い物などすると、どうしても65kgは超えてしまうし、ペットボトルや缶ビールをケース買いすると、大きくオーバーしてしまう。その辺りはどうなのでしょうか?

「一時的な荷重に耐えられるように、車両によりますが95〜120kgまでの負荷には耐えられるので、普段の生活使用範囲で運搬する短時間の荷物積載には十分に耐えられます。ただし常に重い荷物を積載しているなど実用車については、30kgまでの積載想定はしていますが…それでも部品劣化は進んでいきますし、電動アシスト自転車については、バッテリー能力やモーターへの負荷による劣化故障は、重量が増えて過酷な環境(坂道が多く長距離)なら故障しやすくなるのは否めません」

 

そんな中、かつてパナソニックから『体格がいい人向けの自転車』としてリリースした製品があります。車載重量が120kgの電動アシスト自転車「ViVi STRONG(ビビストロング) BE-ENEG63」(写真下)。残念ながら2018年現在、販売ラインナップから外れているようですが、乗員と荷物の合計車載重量が120kg(荷物の最大重量は30kg)というタフモデルをリリースしたこともありました。

大きな特徴は120kgまで耐えられるフレームデザインと剛性強化、当然車重は重くなるのでアシスト機能を備えて普段使用でも軽快に乗車走行出来るモデルでした。(写真出典:「家電Watch」)

今でも販売していたらきっと…豊洲市場のおやっさんたちに人気だったかもしれません。「築地から移転したし、自転車もリニューアルするべっ!」とかなんとか…あ、勝手な妄想です。

 

 

 

自分の自転車はどうだろうかチェック

気になるのは自分の自転車は、どのくらいの荷重が可能なのか?実は自転車にJIS規格に基づいた「警告シール」が貼られています。

左の写真は、その警告シールの一例です。「サイクルベースあさひ」様のブログ”ブログであさひ”にて、詳しく紹介されています。荷台キャリアの積載限度までも紹介していますので、ぜひご参考ください。

(出典:「ぶろぐであさひ」)

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

「自転車はどのくらいの荷重に耐えられるか」については、『車種によるが、95kg – 120kgまで』が答えでした。それ以上超えると、何かしらが故障します。ご注意くださいね。

 

ちなみに海外で、確実に120kgを超える重量で走行しようとした2人がいます。結果はどうなったのか?このあとすぐ!

https://www.youtube.com/watch?v=XoRwXZH6g2s

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA