自転車に車検はあるの? ←(答)「あるっちゃあります」

大きい女の子のお友達から、質問がありました。

 

「自転車の車検ってあるんですか?(本当に無いのでしょうか?)」

 

結論から言うと『あります』。でもこの存在はあまり知られていません。なぜかっていうと「必要でない必要とされない」「義務じゃない」からです。さぁこのお話を基にして、ご説明をしていきますね。

 

● 自転車に車検制度はない

皆さんもご存知の通り、自転車には車のような車検制度はありません。

理由は道路交通法(1978年改正)に記されている「ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの(人の力を補うため原動機を用いるものであつて、内閣府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう」(第2条第1項第11号の2)と定義されており、「軽車両」「車両」「車両等」に該当、車検義務からは離れているからです。

ただし、保安部品は必ず必要で、以下の装備が備わっていなければ、公道を走行することは禁止されています。

1.ブレーキ

2.警報器

3.前照灯・尾灯

4.反射器材

5.ヘルメット (児童/幼児に該当する13歳未満のもの)

 

尾灯については、反射器材(リフレクター)で対応することが可能です。これらの装備が欠けている場合、5万円以下の罰金の対象となります。

 

 

● 車検より自転車保険がクローズアップされている

ここ最近の自転車ブーム、電動サイクルなどの登場により車両台数が増えてます。その影響から比例して事故も増えてますし、また運転マナーを逸脱した走行(スマホしながらなど)も相まって重大な事故になっているケースも増加しています。

昨今のNewsでは各都道府県、ならびに区行政から自転車保険の加入義務化が議会で可決執行されていますが、その影響から自転車保険の加入へのPRがクローズアップされています。もちろん加入は大事なことですが、それよりも見直されていることが一つあります。

それは「自転車の車検義務の必要性」です。

 

国土交通省では近年、以下のような議題で損害賠償保障制度の見直しを協議しています。

「自転車の運行による損害賠償保障制度のあり方等に関する検討会」(第一回 / 2019年1月11日)

議事録では”既存の法律にある内容を踏まえ、新たな損害賠償保障制度が必要なのではないか”という議論がされています。つまり『自賠責』ですね。自転車保険だけでは、加入しているしていないの差が出てしまう、それを必須義務(自治体含め、まだ100%ではないのが現状)として自動車やオートバイと同じように必要なのでは…という議論です。

以下のPDFは「加入促進について」まとめた、この議会内の配布資料です。
(http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/bicycle-dgs/pdf01/05.pdf)

 

第二回目の議論では、「メーカーにしてもらったら?」とか、のんきなことを言っている出席者もおられましたが、議会では現状「全国都道府県、あるいは政令市による条例制定を強化する。国交省はそのために広げていくサポートをしたい」と言っていますので、何かしら自転車保険以外でも、新たな取り組みがなされそうです。

 

 

 

● 車検制度に近いものは『TSマーク』

先述までの話では『自転車の損害賠償保障制度の普及を強化する』ということが言えます。つまり「その自賠責加入は存在すれど、車検という車両本体の点検整備までは必要とされていない」というお話が見えてきます。ではどんな自賠責があるのか?一般的に普及しているのは「TSマーク」と呼ばれるものです。

(出典:大分県交通安全協会)

 

この「TSマーク」は、自転車を整備点検をした後に付与されるものです。この整備点検は有料で受けることが出来ます。同時に2種類あります。

 

1.青色TSマーク *年1,500円程度 / 整備費別

1) 賠償責任補償 1000万円

2) 傷害補償 死亡もしくは重度後遺障害(1-4級) 30万円 / 入院(15日以上) 1万円

3) 被害者見舞金  *青色はなし

 

2.赤色TSマーク *年2,000円程度 / 整備費別

1) 賠償責任補償 一億円

2) 傷害補償 死亡もしくは重度後遺障害(1-4級) 100万円 / 入院(15日以上) 10万円

3) 被害者見舞金  入院15日以上 10万円

 

いずれも1年間有効。これだけの補償があるのは助かるし、整備士が点検をしてはじめて付与される称号なので、ある意味これが「車検証」となるのです。

 

 

 

● 自転車屋さんに相談してみよう

ただ「どこの自転車屋さんでもよろし」というものではなく、この「TSマーク」は自転車整備士がいる店舗で受付しています。裏を返せば『整備士がいないお店』もあります。つまり自転車屋を独立開業するのには必要はないからです。ただ多くの自転車屋さんは整備資格を保持しています。そのため店頭にこんな看板を掲げています。

(出典:コスナサイクル)

この表示があるお店で相談するといいでしょう。

 

 

というわけで、まとめると『自転車に車検義務はないが、制度ならびに予てから実施存在はしている。ただ存在が浸透していないのよ』でした。いつでも受付は可能ですので、この機会に是非、車検してください。

 

今日も元気にいってらっしゃい!

 

 

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