自転車の価格って、なぜこんなに差があるの?

先日の記事「ルック車ってなんだ?」から、ご質問を頂きました。

 

「お値段が安い高いの差が、これほど大きいのは自転車くらいかと思いますが、一体何が違うのでしょうか?」(原文ママ)

 

いやホント、ロードバイクも含めた全ジャンル全車種でかつ、巷の自転車屋さんの店頭で見る「¥9,900」自転車も含めると、上は1,500万円くらいまでの価格差が少なくともあります。その中で、高級ロードバイク車両が多い値段帯は100万円程度まででしょうか?もちろん200万、300万の車両もありますが、どちらかといえば台数は限られてくる傾向かと思います。実際に集計された結果がこちら…

 

「今乗っている自転車の値段、中央値は2万円以上3万円未満」

*アンケート実施日時:2018年10月12日~2018年10月18日/有効回答数:2,494

(出典:なんでも調査団)

 

なるほど…3万円程度が販売価格帯としては、現代では妥当なのでしょうね。

この表からさらに詳しく見ようすると「国内メーカー」「海外メーカー」との差は大きく、海外メーカーの高級ロードバイクは、国内メーカーよりも高価格設定の車両が多いので、そのあたりを思われての質問『何が違うのでしょう?』ですね?

いや、いい質問ですねっありがとうございます。早速お答えしましょう!

 

 

 

●安い高いは、どう違うのか?

ディスクブレーキやホイール、変速機などのこだわりが高いほど、高い車両になりがちだ

 

広い意味からお話しますと、結論は「付いてる部品が違うから」です。フレーム然り、メーカーが分からないけど、汎用性が高い定型型の部品製品を多く使用している車両は、お値段はお安くなりやすいです。反対に「その車両のバランジングを考慮して作り上げた」車両は、完全にその車両ブランドの製品開発となりますので、開発から素材を見極めた部品を使用選出することで、お値段はお高くなります。

例えば…実はクルマでも同じことが言えまして、3ナンバー規格/セダンタイプの車両でいうと、車両の大元(ベース)は100万未満。それにそれぞれのブランド、そのブランドに見合った装備や機能を備えることで、お値段は大きく変わります。200万ちょっとで購入できるセダンと、500万もしくは600万で購入できるセダンの差は、様々な機能(燃焼効率制御や足回り、インテリア、外装など)で大きな差が生まれるのです。

とはいえ「価格が違うから安全性は、その分良くないよ」なんてことはないように、「道路運送車両の保安基準」(運輸省)に基づいて各社メーカーは毎年基準を見直して、開発の最重要項目として幾度も確認されています。

 

これを自転車に置き換えれば、代表的なのは「BAA(BICYCLE ASSOCIATION(JAPAN)APPROVED)」という安全基準。このBAAに満たしている自転車には、ステッカーが貼られています。フレームから制動性、発進性や対荷重など、かなり厳しい検査基準を設けられています。

BAAステッカーが貼られている多くの自転車は、シティサイクルや子供自転車によく見られます。他にも写真の様な保安基準を設けられていますが、これらの基準、もしくは同等の基準を満たしているのかどうか?によって、購入する側としては検討する基準にするといいということになります。

 

自転車に付いている証明マークは幾つかある。ご自身の自転車に付いているのはなんだろう?それぞれを深く知ることで、自転車への保安や保証からの安心と確認が取れる

 

 


▼TSマーク (普通自転車点検整備済)

自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもので、このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いています(付帯保険)(文章抜粋)

JISマーク

JISマークとは、登録認証機関から認証を受けた事業者が製品等へ付することができる特別な表示の様式です。(文章抜粋)

BAAマーク

自転車の関税撤廃等により、2000年頃から手頃な価格の自転車が増えた一方、低品質なものも増え、故障や事故などのトラブルも増加する傾向になりました。そこで、一般社団法人自転車協会は、安全・安心なものづくりを最大の使命として、利用者の皆様の安全を第一に考え、自転車業界の自主基準である「自転車安全基準」を制定しました(平成16年9月から開始)。そして、その自転車安全基準に適合した自転車に貼付されるのが、BAA(BICYCLE ASSOCIATION(JAPAN)APPROVED)マーク「自転車協会認証」です。(文章抜粋)

▼SGマーク

自転車でのSG基準の説明はこちら


 

 

 

 

●海外の自転車と国内の自転車では?

日本でも人気の高いビアンキ。レースレプリカで170万円する。(出典:bianchi / 2020 SPECIALISSIMA)

 

先述の「安い高い」と同じタイムラインで「海外モデル」「国内モデル」の価格の差があります。書かれている記事のスタンスは違えど、同じようなことを思われた自転車を主にした記事を書かれているブロガー様が、2016年現在で集計を取られていました。

 

「海外の有名な自転車メーカーが日本の代理店に逆らえない理由とは」(出典:cbnblog)

 

この記事によると、日本での海外モデルの自転車価格は、母国販売に比べて3割近くも割高だと書かれています。確かに割高になるのは、各国の税金事情などが背景にありますが、日本やアメリカ以外は、お得な感じがしてしまいます(笑)。「こうなったらヨーロッパに住んでいる友人に代理で買ってもらったほうが…」なんて、邪(よこしま)なことを考えちゃいそうです。

まとめると、仮に10万円の自転車は、13万円。20万の自転車なら26万円…と、高額になるにつれ、お国のためなのか自転車販売代理店さまへのおひねりも加わっちゃうのか…ちょっと分からないですけど、お客側からは見ることの出来ないお金が付加されているのは幾分ありそうです(笑。

 

ちなみにオートバイでも同じように、国産と輸入車との価格差は大きくってね….(泣)

 

 

 

 

●結局、何を基準に購入検討すればいいの?

シティサイクルなら「安全に快適に乗れる」を基準にしたならば、先述の『BAA』マークが付いている自転車をオススメします。その証明があれば、立派な車両の証ですからね。このBAAマークの有無で選定するといいかと思います。

ただスポーツ系バイクや海外メーカーの車両には、このBAAマークが付いてないものがあります。それもそのはずで、BAAマークは、シティサイクルや子供のせ自転車、子供サイクルを中心に安全基準の証明をされていますので、趣味性が高い車両には付いてないことが多いです。

その場合は少なくとも、販売店や販売代理店がアフターフォローをきちんとされているのかを、ご自身で確認してください。販売店ではしっかりと整備されている雰囲気か、工具や部品が散乱してないか、他のお客様の整備待ち自転車が粗雑に置かれていないかなど、お客様側からの立場で、お店の印象からお店選び、商品選びをすることは、とても大事なことですし、車両の保安や故障の時の対応について、分かりやすく伝えてもらえるかどうかも、スタッフさんと相談する間で感じ取れることだと思います。

保安マークはもちろん大事ですが、車両トラブルで相談できるかどうかも、お客様側から購入する商品への必然な付加価値だと思います。

 

 

 

 

●価格が高い自転車と、安い自転車を選ぶのは、やっぱりお客様次第なのか?

お値段が高い自転車でも、安全性が危ぶまれる車両もあれば、お値段通りに何もかも安い自転車もある(…のか?)と、ここまでのお話で見えてきましたが、購入者のお好みで&ご予算で、お気に入りの自転車を選び出して頂くことは変わりありません。

しかし世の中、「安かろう良かろう」は、あまり存在しませんので、購入者側にとっては、その『良かろう』の最低基準をクリアした車両から検討することをお勧めしますし、また先述のように現代では3万円程度の車両が、一般的に使用する自転車の相場感なので、そこから高いか安いかの目安にはなりそう。それからの保安性などを加味した上で、ご予算に見合ったお値段が、あなただけの価格相場の基準となるのでしょう。

 

 

というわけで、ご質問の答え

『価格の違いは部品と仕様の差。安全性の差。趣味性ベクトルの差』

という、複数の理由からでした。

 

 

 

それでは今日も元気に、いってらっしゃい!!

 

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