チャイルドシートの選び方
(写真:ブリジストンサイクルより/参考として)
無邪気な子供が母親の運転で乗っている親子自転車。よく郊外で見かける風景です。夕方近くのスーパーでは子供を連れて買い物に訪れ、子供のわがままに振り回されながらも一生懸命にあやしている姿には、毎日大変だと思います。これを読まれている皆さまで父親、母親の方がいらっしゃったら、心からお疲れさまですとお伝えさせて頂きます。
その幼児がいるご家庭には必ずあると言っても過言ではない自転車用チャイルドシート。今は国内製品から輸入品まで多くのブランド製品がリリースされていて、これから購入しようとしているご家族にとっては、何を基準で選べばいいのか、もしくはどの製品が買い求めやすくって安全なものなのか、見た目のデザインとともに悩ましいほどに売られています。
今回は「チャイルドシート選びのポイント」をご紹介しようと思います。
■自転車用チャイルドシート選びのポイント
1. 「SGマーク」がついている製品を選ぶこと
よくヘルメットなどで目にする「SGマーク」は、日本における製品安全基準を合格している製品だということを証明した「製品安全ロゴ」です。これは一般社団法人 製品安全協会が、人が使用するもので安全基準証明を伴う製品に対し発行されていますが、この「SGマーク」は表示を希望される事業者(メーカー)が、自らの判断で表示する任意のものですので、表示されていない製品もあります。
SGマークが付いていない製品を使うことを否定しませんが、大学教授や製造メーカー、国民生活センターなどの関係者がこの製品安全協会に名を連ね「一般消費者の生命や身体の安全を確保することを目的」にしたものですので、このSGマークがついた製品を選ぶ方がオススメです。
*参考資料「自転車用幼児座席の安全基準」(2013年発行資料PDF)
2.初めての購入は、後部側チャイルドシートからがオススメです
お持ちの自転車に取り付ける「後付けチャイルドシート」をお考えの方は、後部座席となるリア・チャイルドシートのご購入をオススメします。理由は「両立スタンド直上となる安定性の確保」「成長するお子様に対応できるサイズ調整や耐荷重の幅が広い」からです。
運転者の前に位置する前部チャイルドシートは、お子様との距離が近く、進行方向がお子様も見れて喜んでくれますが、ハンドルロックがある自転車でないと、停車時の乗降では後部チャイルドシートに比べ不安定です。また耐荷重も大体〜15kg未満までと、使用期間もお子様の成長度合いによっては短くなります。お二人目のお子様が生まれた際に購入検討して頂く方が無難といえます。
3.ヘッドレスト付のチャイルドシートを選びましょう
幼児用座席付自転車の事故で、消費者庁の発表によると走行中の事故だけでなく「停止時の転倒」も非常に多く、お子様の頭部骨折などの重傷事故に及ぶケースを筆頭に多いとのことです。ヘッドレストだけで頭部を保護することは難しいですが、ヘッドレストがあれば重大な事故を免れられる可能性は高くなります。大事なお子様を守るためにもヘッドレストがあるチャイルドシートを選んでください。
*参考資料「消費者庁 /「子どもを乗せた幼児用座席付自転車」の転倒などに気を付けて!」
4.シートベルトは3点式、もしくは5点式のものを選びましょう
リア側チャイルドシート(ヘッドレスト有)は、停止時の転倒や走行中の転倒を想定して、お子様を囲い包むように樹脂部品が衝撃の吸収、出来る限り直接的な打撃の防止を考慮した製品づくりをしています。事故の際、お子様の体が必要以上に飛び出さないように、腰だけホールドする2点式シートベルトではなく、肩も固定できる3点式、または腰も固定できる5点式のシートベルトが装着されている製品をオススメします。
5.ヘルメットの着用は必ずしましょう
チャイルドシートとヘルメットは、同時購入が原則です。
「チャイルドシートに乗っているからヘルメットはいらない」という人はいないと思いますが、ヘルメットは必ず着用の上でチャイルドシートに着席させてください。先述の消費者庁からの発表されている資料内で、頭蓋骨の骨折や頭蓋内損傷など、平成 22 年から平成 28 年までに東京都内で救急搬送された件数は609件。1年に平均100件、1ヶ月平均だと6件の割合で発生していることになります。自分の子供はそんなこと…と思いたいですが、おそらくこの事故を起こされたご家族も、そうだったはずです。事前から十二分に注意した方が良いと言えます。
少なくとも、この5点のポイントは必ず「守るべきポイント」です。これらを踏まえて製品購入に向けて、もう少し確認することを紹介します。
6. 成長に応じてある程度調整が出来るチャイルドシートかどうか
チャイルドシートのほとんどは、ヘッドレストの高さ、もしくは足置き部分の調整が出来るようになっていますが、調整できないものも存在します。ヘッドレストの調整可否は、製品によって出来ないものも有りますが、その場合は大抵、大きなヘッドレストで成長しても問題ない仕様で製造されています。
ただし足置き部分は調整出来るものでないと、お子様の足はチャイルドシートの外側に飛び出してしまう(足をぶらぶらしてはしゃぐ)ので、走行中の怪我やすれ違う人に当たってしまう、いつの間にか靴を落としているなどのトラブルがあります。足置き部分の高さの調整が出来て、出来れば足の甲の上にベルトがついているもの(写真例)は、オススメです。
7. 制限重量の確認
後部側のチャイルドシートなら、シティサイクル自転車の荷台に設置するものであれば、〜20kgまでが目安です。年齢でいうと「おおよそ1〜6歳程度のお子様まで」となります。
前部側のチャイルドシートなら、〜15kgまでが目安。こちらは身長でいうと「おおよそ100cm程度のお子様まで」となっています。
後部チャイルドシートは、自転車の荷台に設置することもあり、耐荷重に優れているものがほとんどです。
(表:ブリジストンサイクルより)
8.装着する自転車の確認
以下にまとめてみました。
「前部チャイルドシート」
ー ハンドル形状がU型のもの(バーハンドル/ドロップハンドル/レーシングハンドル以外)
「後部チャイルドシート」
ー 荷台の耐荷重が25kgまで可能な『クラス25』に設定されているもの。荷台に刻印されている場合が多い。
ー 荷台の幅「15〜17.3cm」のもの
ースカートガードがついている自転車、もしくは取り付けられる自転車
*両方に共通する基準
ー自転車のサイズは24インチ以上の自転車であること
ー折りたたみ自転車、趣味性が高い自転車には不可
ー両立スタンドがつけられない自転車は不可
ー車両に貼ってある「警告ステッカー」で幼児用座席の設置禁止が書かれているもの
*出来れば「BAA」基準車両であること (BAAについてはこちらを参照 / 一般社団法人 自転車協会)
電動アシスト自転車でシティサイクル型の車両は多くありますが、装着できない車両も少なからずあります。必ずご自身の自転車の仕様を確認してから、チャイルドシートの購入検討をしてください。
9.無事に装着出来たら、お子様に走行中の心得を伝えましょう
走行中、暴れられると運転がフラついたりします。おとなしく「手を広げて振り回したり、体を乗り出したり大きな動きはしないでね」と優しく教えてあげてください。またうたた寝による頭のふらつきでも、ハンドルが取られたりする場合があります。仕方がないことですが、少しでも少ないふらつきで済むようにシートベルトはしっかりと止めておきましょう。
10.運転する親御さんも、安全運転を守ってくださいね
-1.乗車の前に「ヘルメット/シートベルト」は必ず、お子様にしてください。
-2.ハンドルに買い物袋を下げて運転走行しないでください。
-3.交通ルールは必ず守ってください。またいつもより速度を落として急いでいても丁寧に走行してください。
-4.停車中は、お子様を自転車に乗車させたままにしないでください。
-5.子供自ら、チャイルドシートに登らせないようにしてください。
以上、チャイルドシートの購入に向けた10ポイントをご紹介しました。ご参考になったでしょうか?私も子供がいますので、今回の記事を書かせて頂きながら、改めて勉強になりました。この記事を書いている間に、週刊誌で有名な『週刊ポスト』様のWeb記事でも、チャイルドシート関連の記事を公開されていました。大変参考になりました。合わせてお目通し頂ければ幸いです。
「チャイルドシート付き自転車の事故急増、傘や荷物に注意」(Web週刊ポストセブン)
あなたのお子様にぴったりのチャイルドシートが見つかりますように!
<オススメ商品紹介>
*後部チャイルドシートのみ紹介します。
▼ブリジストンサイクル *自転車本体のみならず、多くの製品を手がけている大手メーカー
▼OGK技研 *自転車はもちろん、バイクのヘルメットでも有名なメーカーです。
▼Hamax (ハマックス) *ノルウェーのメーカー。SGロゴと同等のドイツ安全基準「GS 」をクリアしています。
チャイルドシートは他のメーカーでもありますが、オプションパーツやアフターフォローなど、この3社が良いですね。ただしhamaxは、部品が届くのに時間を要する場合があるので、その際はご了承ください。