シティサイクルをアップデートしよう(その1「軽量化」)

ついに禁断のテーマ『改造』に着手しようと思います。

このテーマは日本にママチャリ、そしてシティサイクルという「汎用型自転車車両」が発売、まもなく少年から若い男どもまでを中心とした「ママチャリ版・飽くなきカスタマイズへの挑戦」が生まれたわけですが、この改造文化は、しばらくしてジャンル別に分かれていきました。

 

●昭和に生まれた自転車文化スピリッツが今に…?

1970年代、TVドラマで学園モノが人気となり、その中で乗車された自転車たち(ミヤタサイクル、フジサイクル、丸石サイクルなど)が、TVCMなどでも登場、アイドルたちがアイコンとなり、多くの少年少女の心を奪いました。

その勢いは他ジャンルに及び、昭和日本の勢いの象徴となった「スーパーカー自転車」をはじめ、ハリウッド映画『E.T.』に登場したBMXなど、さらにその世代に育った少年少女たちのいわば、”憧れご近所コミューター”として注目を浴びました。

その中で脈々と全国のお友達で繰り広げられてきたバトル、そう「俺が最速」という公園自転車レース、そして「俺がイカしてる」というデコチャリ創明期(映画『グーニーズ』頃からさらに拍車がかかる)、という2大ジャンルの派閥が生まれ育っていきました。

…とまぁ、簡単に自転車に取り巻かれた、昭和生まれの少年少女の夢と文化の背景を、すごく乱暴に持論を簡素化したら、こんな説明になります。

 

あの頃を彷彿とさせる自転車は、都市部では特に見かけなくなり、代わりに海外メーカーのトップモデル・ロードバイク、そしてスカしたクロスバイク、マウンテンバイクやらほにゃららと、洒落オツな自転車が走ってます。 シュッとした感じがして、かっこいいですよね ……..

 

….そんな金で解決されたチャリなんて、用はねーんだよ (闇charichari)

 

 

 

●いかに汎用性に見せつつ、実は最速というこだわり

あ、こら!汚い言葉で大変失礼っ(汗)!

ただ街中を走る、そして生活に溶け込んだ車両として最高峰に君臨するシティサイクルは、どんな高価な自転車にもヒケを取らない自転車。手提げカバンをひょいとカゴに入れ、鍵を「カシャン」と解除、スタンドを蹴り上げ『行ってきまーす』と、すぐに出かけられる手軽さは、まさにキング オブ 自転車!

そんなキングオブ自転車を、さらに快適にすると…どうなるのか? また何を持って快適なのか…?

 

この疑問と欲望がcharichariの改造魂をくすぐり、結果『羊の皮をかぶったオオカミ自転車への挑戦』のテーマとなるわけです。

ここから紹介するのは、あくまで皆さんが手軽に『中身はオオカミ化』出来るカスタム方法ですので、これより先に進んだカスタム方法は、また別の機会にします(その意味を込めて今回から連載としています)。ライトカスタムで、あなたのシティサイクルはどこまで快適に(最速に)出来るのか?

そのこだわりが、あなたの自転車に愛情という言葉に変化し、あなたなりの最高の『中身はオオカミバイク』と変貌してくれるはずです。能書きはここまで。早速、紹介していきましょう!

 

 

 

●ママチャリ・ライトカスタムの極意はコレだ!

 

極意1. 軽量化

極意2.ブレーキ強化

極意3.ライディングポジションの前傾化

 

 

 

■極意1 [軽量化] いらないものは外しちまえっ ! ■

ママチャリの平均的な総重量は、一概にも言えませんが約20kg前後。ライトなママチャリでも16-7kgはあったかと覚えがあります。この重量は例えば…汎用クロスバイクの平均重量が11kg程度なので、約2倍の差があります。

つまり人間なら『小太り』と『細身筋肉質』の違いなイメージですかね。もしこの『小太り』と『細身筋肉質』が、同じ筋肉量で50m走をしたならば、明らかに『細身筋肉質』の方が、スタートダッシュも速度持続性も高く、先にゴールする可能性が高いのは、ご想像の通りかと思います。

「人間で例えるなよ。もっとハイエンドな例えをしてよ」とおっしゃるなら…次期2020年モデルの新GT-Rは、2040万で販売予定だそうですが、開発者曰く「現モデルより軽量化、そしてブレーキ強化したことで、より軽快に(600psが活かされ)安定感あるGT−Rに仕上がった」コメントと同じく、高級スポーツカーでも、車両重量は加速はもちろん、コーナリング性能にもブレーキングにも影響されます。

というわけで、あなたのママチャリの場合、いらないものとは何か…?

 

上のママチャリを参考に、charichariなりの「いらないかも候補ランキング」をあげてみましょう。

1. スカートガード

後輪側、サドルに近い”網あみ”の部品。スカートが後輪に巻き込んで汚れないように…の優しさ部品です。男性なら不要な部品ですし、女性でもひらひらロングスカートを着用しない方は、とっとと外してしまいましょう。(軽量なもので約60g)

 

2.荷台

「後ろに友達しか乗らない。モノを運ぶってことはない」そんな使い方しかしていなければ、用はありません。取りましょう外しましょう。(約1.2kg)

 

3.チェーンガード

チェーンガードは、確かに「あったらいいな」製品ですが、ここまで包み込まれてなくてもいい気がします。またチェーンに巻き込むほどのファッション(ヒラヒラ系ロングスカート)で自転車に乗ることを避けることなんて、カスタムのためには容易なことですよね♪ (約1kg以上/材質による)

 

4.<交換前提> センタースタンド (→サイドスタンドに)

センタースタンド、整備の時に便利ですねぇ。それに荷台に荷物を載せる時に、安定した平行感は「さすがセンタースタンド!」と、頼りになるナイス部品。しかし、今回は荷台を取っ払ってますし、あまり用事がありませんっ。こちらも取っぱらいましょう。そしてサイドスタンドをつけましょうっ! (センタースタンド約1kg/サイドスタンド210g/差引-790g)

このスタンドは20インチから700c(27インチ相当)まで対応できる、アジャスタブル・サイドスタンド。これひとつあれば、新しく別の自転車を購入した時のカスタムパーツとしても重宝するはず。

 

 

5.<交換前提> 前後泥除けカバー (→アルミ製品に)

泥除けカバー、重厚なカバーなんて、無くってもいいんじゃないっすか?だって自転車に乗る時って、基本晴天、土砂降りの時ってあまり乗らないでしょ? いらないっすよ。…でも雨上がりの水はねとか、服にかかると嫌だから…って言う方、多いかと思いますので、軽量化しましょう!(約500g)

*商品紹介は、あなたの自転車のタイヤサイズに関わるため控えます。

 

 

6.<交換前提> セミアップハンドル (→フラットバーハンドルに)

セミアップハンドル。このママチャリをこよなく愛するシティサイクラーにとって、いぶし銀なシルエットを演出するパーツは、コイツしかいない…。と、玄人受けするパーツではありますが、今回は『見た目は羊、走ればオオカミ』がテーマだけに、残念ですが外さねばなりません。代わりにフラットバーハンドルで、少し前傾姿勢、そしてハンドルを確実にグリップできる姿勢になれる様に仕立てることをお勧めします。(約900g/フラットバーハンドル180g/差引-710g)

 

 

7.<交換前提> ダイナモライト (→電池式ライトに)

半永久的に点灯してくれる頼もしい夜道の先導役、ダイナモライト。ただ点灯すると自転車を漕いでいると、ペダルが重くなることが悩み。そこでダイナモライトはご引退して頂いて、新しく電池式ライトに交換だ。(約500g/電池式ライト150g/差引-350g)

 

 

 

さぁここまで、外した部品と部品交換の累計合計を見てみましょう。

 

1.スカードガード  -60g

2.荷台      -1.2kg

3.チェーンガード  -1kg

4.スタンド交換  -790g

5.泥除けカバー  +- ??? (インチサイズや形状、材質による)

6.バーハンドル  -710g

7.ライト交換   -350g

 

減量合計:ー4.65kg 〜

 

 

どうだっ!この数字、びっくりするでしょ!

このばっくり計算でも、これまでは5kgの重りを、改造する前は乗せて走っていたわけで、(言い方悪いけど)坂道なんて、奴隷の様に自転車様の部品を運んでいたっていうことなんですぜ!

たとえ20kgのママチャリなら、これで15kgのママチャリとなり…え?そんなに軽くなるの!? それって最高にスパイシーな自転車になるっすね。数値だけでも、かなり期待が持てそうです。

 

 

そして今回のランキングにはあげていない「前かご」も取っ払うと、おおよそ-1kg(モノによっては2kgや3kgもある/取付ステー別)の軽量化が可能。しかし『中身はオオカミ化』を目指す場合、この「前かご」はいわば、”羊の皮”の大半を占める重要な部品。軽量な「前かご」に交換するのもいいでしょう。

PALMYのカゴは600gと軽量。ただしステーなどを含めると1kgはいくか?それでも軽い方だ

 

 

如何だったでしょうか?

今回の「ママチャリ最速アップデート化」では、極意1「軽量化」をお伝えしました。紹介した部品の取り外しは女性でもできますが、いきなりむやみに部品を外すことは避けて、まずはイラストでもいいので、取り外す部品候補と、とった場合の自転車イメージを紙に書いてからにしてください。

そして交換する部品が発生した場合は、部品が到着してから作業に入る様にして下さいね。

 

次回は極意2「ブレーキ強化」をお伝えします。お楽しみに。

それでは今日も元気にいってらっしゃい!

 

 

<補足>
自転車はご自身の体を乗せて走る乗り物です。部品取り外しにあたり、不安があれば是非、お近くの自転車屋さんに相談して下さい。また軽量化が実現したとしても、すっ飛ばして良いというものではありません。ここで紹介した効能は、あくまで運転しやすさの向上と、踏み込み時の軽さ、コーナリングの機動力向上、ブレーキ時の制動制御の向上などを目的としています。巡行速度を上げることが目的ではありません。ご留意ください。

 

 

 

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